いけばな作品は人間の顔に同じものが無いのと同じで10人いれば10通りの表現があり、だからこそその全てに魅力があるのです

こんばんは。内藤正風です。

「お題講習会」を昨日終えたばかりですが、今日は光風流本部いけばな教室において今週末に開催する「光風流いけばな展」の作品作りのお稽古を朝から夜までガッツリと行なう1日になりました。

いけばなの魅力、それは10人いれば10通りの表現があるという事

昨日の「お題講習会」でもお話しした事なのですが、いけばなの作品というのは10人いれば10通りの表現があります。同じ材料を用意して同じテーマでお花を生けると同じ作品になりそうに思われるかもしれませんが、全員全く違う作品が出来上がるのです。
そしてそれはどの作品が正解でどれかが間違いという事はなく、全てが正しいのです。

もちろん作品の完成度の高さや見る人への伝わりやすさというような部分には「もっとこうしたら良いのでは」という事はありますが、「こんな表現をしたい」とか「私の思いはこうです」という事に正誤はないのです。

言い方を変えると、材料の見立て方、扱い方、テーマの表現の仕方、何から何まで違う事こそがいけばなの魅力であり面白さなのです。
だって人間の顔は一人一人全員違うじゃないですか。たとえ一卵性双生児であっても、全く同じではありません。
いけばなの作品もそれと同じなんです。

自分と違うところを指摘し否定するのは、一番未熟な関わりだと思います

自分と違うところを指摘し否定するのは簡単です。だって一言で済むんですから。。。「おかしい~!!」って。
これって一番未熟な反応であり対応ですよね。イヤイヤ期の子供と同じです。

まずは違いを認め受け入れる。そうする事によってはじめて相手の良い所が見えるようになるし、その良い所を自分にも取り入れる事が出来るようになるのです。

いけばな展は、作品の多様性があるからこそ楽しいのです

昨今グローバル化とか多様性という事が色んな所で言われていますが、グローバル化や多様性の第一歩は、自分と違うところをお互いに認め合う事だと思います。
その意味では、いけばなって古来より多様性やグローバル化を大切に考えるとともに実践しているといっても過言ではないでしょう。

昨日の「お題講習会」では、光風流の各地にある支部の指導に当たっていただいている講師や准講師の先生方が生けられた「お題 友」の作品を参考花として取り上げさせていただき、受講された皆さんにご紹介させていただきました。
お一人お一人の切り口や表現が全く違う作品を見て、受講生の皆様には何かを感じていただく事が出来たと思っています。

今週末に開催する光風流いけばな展「花と金属ので・あ・い」において展示する作品も個性的な作品ばかりですので、是非楽しみにご来場いただきたいと思います。

 

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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