コロナ自粛から5カ月ぶりにリアルで開催する講習会の準備をしながら思い出した、荒良寛先生から頂いた「一念三千」という言葉
目次
こんばんは、内藤正風です。
いよいよ明日から”オフライン(リアル)”での講習会を開催します。
4月以来、光風流で開催している講習会や研究会は全て、”新コロ”の感染防止のためにオンラインに切り替えて開催してきましたが、本部いけばな教室においてオフラインで開催する準備が整いましたので、明日の講習会はリアルで開催する事といたしました。
リアルで講習会を再開したら喜ばれると思っていたのですが。。。
講習会がリアルで再開されるのを皆さん待ちわびておられる事と思っていましたが、大きな間違いでした。
全受講者のうち、明日本部いけばな教室にお越しになって講習を受講されるのは50%、残り50%の皆さんはオンラインを希望されているのです。
このオンラインを希望されている理由は大きく分ければ2つだと思います。
1つは、”新コロ”感染防止のために人の多いところにはゆきたくないという理由。
そしてもう1つの理由は、面倒くさい。(笑)
面倒くさいって言うと誤解を受ける表現ですが、しかし私はこの一言に集約されると思います。
例えば片道1時間かけて講習会にお越し下さっている方は、往復で2時間移動に必要なんです。ところがオンラインだと移動時間は「0」です。
これまで使っていた2時間が自分の時間として自由になるのですから、移動に2時間なんて面倒くさくなっちゃいますよね。
また他には、いけばなには器が必要不可欠ですが、この器やお稽古に必要な書籍や道具を講習会の時には各自持参しないといけないのですが、オンラインでの受講ならばそういう荷物をもって移動しなくていいのですから、これもやっぱり面倒くさくなっちゃいますよね。
いや~マジでこの4~5カ月で、皆さんの価値観がほんと大きく変わりました。
これからの講習会は”オンライン”と”オフライン”が共存してゆきます
これからの光風流の講習会や役員会などは、オンラインとオフラインが共存してゆく様になります。
もちろん明日の講習会も、本部いけばな教室にお越しになられる方とご自宅でオンラインで受講される方と一緒に開催をいたします。
なのでつい先ほどまで、明日のオンラインとオフラインの共存する講習会の準備を行なっていました。
明日の準備を行ないながら、オンラインとオフラインの共存する講習会をイメージしたりリハーサルをしたのですが、そんな中で昨年亡くなられた荒良寛先生からいただいた言葉をふと思い出しました。
荒良寛先生から頂いた言葉
荒良寛先生は2019年1月にお亡くなりになられたのですが、当時天台宗ハワイ開教総長としてハワイに在住されており、私がハワイのパロロ観音寺にいけばなのデモンストレーションに訪れるたびにお出会いさせて頂いていました。
荒良寛先生は、「前向きになる言葉〜羅漢さんの絵説法シリーズ」とか「カレンダー」、「仏画」を書かれていたり、講演も各地においてなさっておられるのでご存知の方も多いと思います。
その様な中で荒先生とは食事をしお酒を飲みながら色んなお話をさせて頂きました。
仏教の事、お酒の事、荒先生の日常の事、人生訓、きりがない程いろんなお話を聞かせて頂いたのですが、特に印象深かったのは「一念三千」と言うお話でした。
荒良寛先生と一緒に食事をしているときに、手元にあった箸袋に書いてお話をしてくださいました
「一念三千」とは
この言葉は私が華道の家元をしており、講習会や講演会などでお話をさせて頂く機会が多いので、「忘れないように」という事でお話をしてくださった言葉です。
教室や講演などをするときに、目の前に1人の人がおられたら3000人だと思って感謝をしなさい。そして3000人だと思ってお話しをしなさい。
あなたのお話を聞いてくださる人が今は1人だけだったとしても、その人があなたのお話から何か感じる事が有れば、家族やお友達にそのお話をされるでしょう。そのお話を聞かれた人がまた他の人にお話されるでしょう。そう考えれば、すなわち目の前に居られる1人は3000人と同じなんです。
また人間ですから、3000人を前にお話をすると思うと準備もしっかりとするでしょうし、話をするテンションも自然に高くなるでしょう。
1人だから適当にそれなりで良いと言うことではなく、いつもこの様に考えて精一杯取り組む事が大切ですよ。
というお話でした。
1人だからと言って手を抜くような事はしないですが、そう言われれば確かに、50人の前でお話させて頂くと言うのと5人の前でお話させて頂くっていうのとでは、自分で気付かないうちにテンションとかが違ってしまっている可能性はあるかもしれないですよね。
このお話を聞かせて頂きながら、自らにしっかりと戒めとしなければなぁと物凄く心に残りました。
きっと荒先生が応援してくださっているのだと思います
明日から久しぶりにリアルの講習会(リアルとオンラインですけどね)を開催するにあたり、この言葉をふと思い出したのは、きっと荒先生が「内藤ガンバレよ~!」ってあの優しい笑顔で注意してくださっているんだろうなって思います。
あ~、早くハワイに行けるようになってほしいなぁ。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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