"シンプル門松"を飾って思う「伝統のものは、いかに今に置き換えて考えるか」によって本質を理解することができるという事

こんばんは。内藤正風です。

今日のお昼間に、光風流本部いけばな教室の玄関に「門松」を飾り付けました。
今年の「門松」はこんなのです。

シンプル門松

この門松に必要なのは、枝松(えだまつ)1本、奉書(ほうしょ)1枚、水引(みずひき)1本、たったこれだけです。
このままマンションやアパートの玄関でも、最高にマッチしますよ~。

「えっ、そんな簡単でいいの?」って思われました??
「門松」とはすなわち、玄関先に松を飾って年神様の目印にして頂くって事なんですから、これで十分役割を果たすのです。

ご家族の安寧や飛躍を希望される方。
会社やお店の発展を願われる方。
最近お正月っぽくないなぁって思われているあなた。
玄関の空間が無いから、門松なんてうちじゃ飾れない。って思われているあなた。
たったこれだけの事を年末にしておくだけで、とっても素敵な空間を作れますし、歳徳神もあなたのお家にちゃんと来てくださいますので、来年はあなたやご家族にとってとっても素敵な年になること間違いなしですよ!!

あっ、ちなみに、門松飾りたいけど、どうしたら良いか解らん!奉書の折り方なんて知らないよ~!水引なんて結べない~!って方には、私が作って出来上がったものをお届けすることも出来ますよ。
今年は間に合わないでしょうから、来年からは是非お気軽にお声がけください。

伝統的な事は今の自分の生活に置き換えてみると解りやすいと思います

日本の伝統的な事は、「古臭い」とか「堅苦しい」とかってイメージをもたれている方が多いと思うのですが、その本質を理解すればとても素敵な事なんだと感じて頂く事が出来ると思うのです。

門松も、年神様をお迎えするときの目印、すなわちランドマークとしての意味であり、労わりや優しさからの行為なのです。
ただ大半の皆さんは、この門松をお正月の事とか年神様とか考えるからわかりにくいのであって、とても大切なお友達や恋人を家に招く時に置き換えてみると理解しやすくなるのではないかと思います。

大切なお友達や恋人をお家に招いて、初めて来てもらうときにはどうされますか?
最寄駅をお知らせしたり、家までの道中の案内図を書いて渡したりしますよね。
道中の目印になるものをお知らせしたりして、道に迷わない様にしますよね。
自分の家の特徴をお知らせしたりしておきますよね。

要するに門松って大切な人をお招きするときに行う、こういう一連の行為と同じ事なのです。
相手に対して道に迷わない様にと言う気遣いであったり、道中で不安にならない様にと言う労わりの気持ちなのです。

この意味をちゃんと知って、こういうお話しをしながらお子さまと一緒に門松を立てたりしていれば、きっとお子さまはそういう気遣いや労りが出来る大人に成長してくださると思うのです。

親の姿を見て子供は育ちます

お家でお子さんに「労りの心を持ちなさい!気遣いができるようになりなさい!!」っていくらガミガミ言っても、たぶん子供さんには伝わらないですよね。
そんな事を10回20回と言うよりも、門松を立ててそういうお話を聞かせてあげると、一発で伝わるのではないかと思いますし、毎年門松を立てているお父様やお母様の姿をご覧になって、そう言うことの大切さも自然に伝わるのではないかと思います。

目の前で繰り広げられている行為は、植物に例えるならばただの枝葉でしかありません。
枝葉に注視するのではなく、その幹や根っこの部分に意識を向けるようにすれば物事の本質が見えるようになってくるでしょうし、本質に近付く事が出来るということは物事を深く理解する事が出来るようになるという事だと思います。

「伝統」=「古臭くて堅苦しくて面倒くさい」って決めてしまうと、そこから先には視野が広がる事はありません。
物事の本質を理解し「真理」に近付く事が出来れば、今まで無意味に見えていたものの価値を感じることが出来るようになると思います。

 

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。