いけばな展の作品作りを通じて思う、人に「センス」なんて元々備わっていないという事。センスの良い人は、新しい事にチャレンジし沢山の経験をし自分を磨いた結果なのです
ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。
いよいよ今週末の9月2日(土)3日(日)は、「光風流いけばな展」です。
まだまだ先だと思っていましたが、いよいよとなりました。
今年も生け込みLIVEから含めて熱い3日間を過ごしたいと思っています。
センスは生まれ持ったものではない
いけばなをしているとよく耳にする言葉がいくつかありますが、そんな中の1つに「センス」という言葉があります。
いけばな展の作品作りをしていると、私はセンスが良くないから。。とか、若い人のセンスは分からない。。。とか耳にしたりもします。
ちなみにこういう方は、センスは生まれ持ったものだと思われているのだと思います。
この考え方、半分正しいですが半分は間違いです。なぜならばセンスっていうのは、磨いてはじめて光るものだからです。
と言っても分かりにくいでしょうから、プロ野球を例にあげて考えてみたいと思います。
アメリカの大リーグで大活躍されたイチロー選手、そして現在大活躍中の大谷選手は、「センス」と言う事でいうと一流のセンスと言うか世界のトップクラスのセンスをお持ちなのは全ての方が認めるところだと思います。
ということは、センスがあって野球が上手なのでしょうか?
その論理で行くとイチロー選手や大谷選手はセンスがあるから練習なんてしなくても成績が残せるっていう話になっちゃいますよね。
ところがイチロー選手も大谷選手も、若い時からプロの選手になるという目標を立て、他の人以上の練習を物凄くされてこられているいうのは、有名な話ですよね。
自己摂生もそう、練習もそう、全て人一倍されています。
それも私たちが真似できないレベルで行なわれてきているからこそ、イチロー選手や大谷選手のあの結果に結びついているのです。
センスがあるから野球が上手なのではないのです。センスを練習で磨いたから光を放つようになっているのです。
センスは自分で磨くもの
この様にして検証してみると分かってくると思いますが、センスっていうのは、練習や経験を積み重ねるからこそ、磨かれて光ってゆくものなのです。
つまり、センスは石と一緒です。何もしなければただの石ころです。
しかしその石の持つ特徴にあわせて使う場所を考えたり、あるいはカットをしたり磨いたりすることによって、魅力が生きる様になってくるのです。
庭石として魅力を引き出すか、宝石として光を放つかは石の種類によって違います。どんなに綺麗な光を放つ宝石も庭石としては価値無しです。もちろんどんなに魅力的な形をした庭石も指輪やブローチにはなりません。
色も違います。形も違います。生かす場所や生かし方次第で魅力は違ってくるのです。
人間は全ての方にセンスがあります。センスのない人なんていません。ただそのセンスは10人いれば全員が違うセンスを持っているのです。
だから隣の人と同じ事が出来ない、同じように出来ないなんて思う事自体が無駄な事なんです。
貴方には貴方だけのセンスがあります。
ルビーにはルビーの、ヒスイにはヒスイの、水晶には水晶の、ダイヤモンドにはダイヤモンドの、庭石には庭石の美しさがあるのです。どれが良くてどれが劣っているって事ではありません。
人間は自分の得意な事をしたい生き物です。不得意な事や出来ないことはしたくありません。だって楽してエエかっこ出来ますもん。けれどそれでは自分と言う「石」を磨く事は出来ないのです。
あなたにしかない特徴と言うセンスを磨くためには、どんどん新しい事にチャレンジしてゆけばいいのです。そうすればあなたのセンスは、知らず知らずのうちにどんどん磨かれてゆきます。
全ての人にキラリと光るセンスのもとは備わっているのです。あとはあなたがチャレンジするかしないか、磨き続けるかどうかだけです。
いけばな展は、新しい事や不得意なことにチャレンジする好機なのです。今の自分をもっともっと磨き上げレベルアップさせるキッカケなのです。
今回の光風流いけばな展を通じて、光風流の出瓶者の皆さんのレベルアップにつながることを切に希望しています。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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