お正月に特別感を感じなくなったのは環境もあるでしょうが、それ以上に自分自身で非日常を演出していないからなんだと思います

こんにちは。内藤正風です。
昨日は午後から神戸でお正月花のお稽古を行い、そのあと夜には友達のオッキー(沖啓太郎)が経営するお店が大阪の北加賀屋にあるので、この2階にあるイベントスペースをお借りしてお正月花のお稽古を行うというダブルヘッタ―な1日でした。

 

松が生けあがると一気にお正月って雰囲気になりますよね。
昨日も皆さんに、楽しい時間を過ごして頂きながら松を生けて頂く事が出来て、本当に良かったぁ~って思っています。

お正月の特別感って無くなりましたね~

最近お正月を迎えても、特別感って薄れてしまったように思います。私が子供の頃には、何から何までお正月は特別だなぁ~って感じていたのですが。。。

今では正月1日からお店は開いています。
おせち料理も、日頃の食事の方が美味しいものだったり豪華だったりするので特別感なんてありません。
テレビもお正月のスペシャルって感じも全く無いです。
お正月に特別な来客がお越しになる事もありません。

ええ、なんら日常と変わらない時間が過ぎて行っているような気がします。

特別感を無くしてしまっているのは、自分に原因がある

お正月に特別感が無くなった!って書きましたが、これって実は外的要因ばかりを言っているだけで、自分で特別にしようとはしていないんですよね。。

周りの環境には特別感って無くなってしまいましたが、だからといってそれがお正月の特別感が無くなった決定的な理由ではないと思うのです。
ええ、私は一番の原因は自分自身にあると思うのです。それはたとえば時間の過ごし方、あるいは特別感の演出などです。

昔、子供の頃には新年を迎えるにあたり、お正月だから新しい服や下着を着なさいって買ってもらっていました。あるいは12月31日と正月3が日だけは夜更かししても叱られませんでした。
これは一例ですよ。この同じ事をしましょうって事ではないです。(笑)

しかしこんな風に、お正月だからという特別感をあえて作って演出する事で、自分自身も家族も楽しむ事が出来るんじゃないかと思うのです。

”設え”や”演出”の重要性

私は”特別感”って結局は”演出”だと思うのです。日頃しないような事をいかに行なうかだと思うのです。

お正月の設えって面倒くさいですよね。
例えば”注連縄”、例えば”門松”、例えば”鏡餅”、例えば”お花”、これら全てなくてもお正月はやってきます。
けれど目で見える演出って、特別感には切っても切り離せない要素だと思うのです。
クリスマスのクリスマスツリー、ひな祭りの雛人形、こういうものってそこにあるだけで、空気感が変わりますよね。
なのでお正月も、こういう設えって重要だと思うのです。

親子や家族で一緒にする事が特別感を生む

そしてもう一つ、親子や家族で準備を一緒にする事が私は大切だと思っています。
それは、みんなで一緒に準備することで、全員がお正月への主役になる事が出来、特別感を感じる事が出来るようになります。

たとえば、注連縄をお父さんと子供さんで一緒に作ってみてはどうでしょう。注連縄の材料はネットで手に入ります。作り方もネットで調べれば動画で出てきます。
門松も松1本あれば作る事が出来ます。

 

お父さんやお母さんと一緒におこなう。お戸尾さんやお母さんのお手伝いをする。そういう事が子供さんたちにとっては、どんなに大きくなっても記憶にのこる思い出になりますし、そういう事の積み重ねこそが特別感になっていくのだと思います。

日頃しないことを行なう

そして私が思う特別感の演出の為には日頃していないことを行なうのが一番簡単かなぁと思います。

今や海外旅行なんて日常ですし、美味しい食事や、家族そろってのお出掛けも日常そのものですよね。なのでそう言う類いは全て外して考えるのが良いのではないでしょうか。

そんな中で私が思いついたのは。。。。。

例えば、お正月の早朝に宮中において行われている「四方拝」に習って鏡餅を飾った三宝を頂く。なんてどうでしょう。
(※四方拝とは1月1日の早朝に、天皇陛下が宮中において天地四方の神を拝する儀式)

私が子供の頃には1月1日の早朝に、その年の恵方を向いて三宝に乗っている”勝栗”や”かやの実”その他に地域によって色々な物があるでしょうが、それらを柳箸で1つづつとって懐紙に載せて頂き、その後にお雑煮を食べて、お年玉をもらうというのが正月元旦の恒例の儀式でした。

これなんて日常の中では絶対にない事なので、特別感満載になりますよ。
もちろん今挙げた事だけではなく、他にいくらでもできるような事はあると思います。

日頃一切台所に立たないお父さんなら、正月3が日と言うと長いので、2日間くらいはお父さんが家事一切をするとか、日常に無い事なんてそれぞれのお家によっていくらでもあると思うんです。

特別感が無くなったという前に、何かやってみてはどうでしょう

お正月って特別感無くなったよね~って言う前に、なにかそういう事を考えて行なってみて、特別感を作り出してみてはいかがでしょうか?

どんな小さなことでもいいと思います。まずは行動してみませんか?

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。