新しい事をしようとすると必ず反対がありますが、これって実は新しい事に抵抗してるのではなく今あるものが無くなる事への不安の現れなのです。

こんにちは。内藤正風です。

私はいつも光風流の皆さんに「変わり続けないといけない」というお話をさせて頂いています。言い方や表現の仕方はその場面場面で変わりますが、本質は変わりません。だって変わり続けなければ未来は無いというのは真理なのですから。

「否定」と「変化」は全く別の事です

こういうお話をさせていただくと、よ~く誤解を受けます。まあ人から誤解されることを屁とも思っていないと、私のような人間が出来ちゃうのかもしれませんがねー(笑)
ちなみにどういう誤解を受けるかというと「内藤は今あるものを否定している」とか、「これまで営々と積み上げてこられている物を無視している」とか。。。まっ、いいんです。そういう人たちは自滅していって頂いたらいいんですから。

さて話しを元に戻して、なぜ私が変わり続けなければいけないと言い続けるのか。理由は明快です。
それは。。。。。「時代は常に移り変わっていっている」からです。

昔から「10年ひと昔」と言う言葉がある様に

時代の変化は好むと好まざるとに関係なく起こっています。
最近で言うならば、スマホの普及です。10年前に誰が今の状況を予測できたでしょうか?おかげで今私達の生活は10年前とはマルッきり変わっています。
住宅で言うならば”床の間”です。30年とか前までは床の間がお家にあるのが普通でしたが、今新しく建てられているお家の何パーセントに床の間があるでしょうか。
いけばなを取り巻く環境もそうです。30年とか前までならば婦女子の素養としてのいけばなと言う捉えられ方が大勢を占め、いけばなの師範の許状は嫁入り道具の一つと考えられていましたが、今ご結婚されるときにいけばなの師範の許状が無くてはならないと考える方なんて居られないんじゃないでしょうか。

これは正しいとか間違っているとか、好きとか嫌いというようなそんな事では無く、そこにこういう現実があるというだけの事なのです。

流行はいつか去るのです

そんな中で、床の間が住宅環境から無くなっているのに、床の間のお花を、お稽古にお越しになられている皆さんにお稽古して頂いてどこで生かす事が出来るのでしょうか?
結婚されるときにいけばなの師範の許状を必要とされていない人に、結婚するときには許状が無いといけないですよねーってお話しても伝わらないですよね(笑)

確かに、いけばなの歴史の中で”床の間”という環境の中でいけばなが発展してきたというのも事実です。結婚されるときにいけばなの許状を必要とされたというのも事実です。ただここで間違ってはいけないのは、これは一時的に起こっている現象であって、時代とともに移り変わってゆくという事なのです。

人の考えや価値観や好みは日々移り変わってゆきます。常識や風習なんて地域が違ったり宗教が変われば全く違ってきます。

適者生存という事

人間がなぜこれだけの進化進歩をする事が出来たのか。それは常に変化する事が出来たからなのです。
それは、ダーウインが進化論の中で言っている様に、今この世に生き残っている生物は”強者”が残っているのではなく”適者”が生き残る事が出来ているという事に他なりません。
適者とは今の時代にあわせて変化する事が出来たもの、すなわち適合する事が出来たものという事に他なりません。

光風流はいまあらゆる部分が変化していっています。ってか変化させていっています。流派全体、各地の支部、カリキュラム、指導者の先生や役員の意識、もう全てです。例外はありません。「昔からこうしているから」って事ほど見直しが必要なのです。

新しい事への反対は、その事自体に反対しているのではなく、新しい事への不安の現れなのです

こういう風にして何かを変えようとか新しい事をしようとすると必ず反対があります。これは真理です。だって人は新しい事や未知の事には恐怖を感じたり二の足を踏むものなのですから。
その意味で言うと正しく変化する事が出来ている時には賛成する人と反対する人とがあります。これが普通です。なので反対する人が無く全員が賛成するような事があった場合には、一度歩みをとめて再考してみる必要があるのです。だって全員賛成するだなんて絶対におかしいのですから。

ただしこの反対は悪い事ではありません。一見すると新しい事に反対しているように見えるのですが実は違うのです。1つは新しい事が良く理解できないからの反対と、そしてもう1つは今まで慣れ親しんでいるものが無くなる事への恐怖による抵抗なのですから。

変化をやめるということはすなわち死を意味するのです

これから時代は今まで以上のスピードで移り変わってゆくと思います。そんな中で私たちは、過去の経験から学び、今何が出来るのか、そして何をするべきなのかを考え、そして行動を起こしていかなければならないと思うのです。
前に進むのをやめた瞬間から衰微が始まり、マグロじゃないですが死んぢゃうのですから。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。