陸上自衛隊 青野原駐屯地の新春互礼会のお花の生け込みに行って思った、「ハレ」と「ケ」と言うこと

こんにちは!内藤正風です。

今日は陸上自衛隊で隊員の皆さんにお花を生けていただいて来ました。

 

なぜ自衛隊の隊員の皆様にお花を生けていただいたのかというと、光風流がある兵庫県加西市には「陸上自衛隊 青野原駐屯地」があり明日「新春互礼会」が開催されるのですが、そちらの会場のお花を私と、私の愚息の内藤貴風と、陸上自衛隊の隊員の皆さんとで毎年担当させて頂いているからなのです。

 

隊員の皆さんが手ずから準備されている新春互礼会

隊員の皆さんは日頃“いけばな”には縁のない方ばかりなのですが、この新春互礼会を盛り上げるためにテーブル花を手ずから生けて明日の互礼会に来られるお客様の“おもてなし”をしたいということで毎年行われているのです。

日頃は”いけばな”に縁がないと言えども、基本的な事から説明させて頂きながら一緒に生けて行っていただくと、ものの1時間ほどで綺麗にお花を生けて頂く事が出来ちゃいます。(っていっても担当したのは愚息の内藤貴風ですが。。。(笑))

 

ムッチャ真剣でしょ!!規律正しい中で毎日生活を行われている隊員の皆さんですので、お花生けている所作やその姿も凄くカッコいいですよー。

 

出来上がったお花も初めてとは思えないとても素敵な出来で、それぞれテーブルに飾って頂いています。

 

 

 

日本に古来からある「ハレ」という考え方

日本には古来「ハレ」と「ケ」という考え方が有ります。
「ハレ」とは特別な事、すなわち儀礼や祭や年中行事などの「非日常」の事をさし、「ハレの日」とか「晴れ着」という言葉はここから来ています。ちなみに日常のことは「ケ」といいます。

人が生きてゆく中で人生を豊かにするためにはメリハリが大切です。すなわち特別な瞬間、すなわち「ハレ」を意識して作る事が大切だということです。
たとえばこの新春互礼会ですが、”お花”も”特別な設え”もなく単に食べるものと飲み物が置かれているだけだったらどうでしょうか。。単なるただのお食事会とか飲み会に成り下がってしまいますよね。それはすなわちこの新春互礼会という機会を特別な機会と出来なくなってしまうと言うことです。

“ハレの日” は意識して作り出すことで生まれる

意識して特別感を作り出す、それにはたとえば”日の選定”という要素や”特別な衣装を着る”ということ、あるいは”特別な儀式や祭礼を行う”、他にもその時ならではの”特別な食べ物を頂く”というようなことなどが考えられると思います。
そしてこの特別感が大きければ大きいほど、その催しが大きな節目であるということが伝わり、ハレの日としての価値が大きくなるのです。

人は面倒くさいからと言う理由で、色々な事を簡単にしたり無くしたりしようとします。しかしハレを無くしてしまうということは、日常の中に特別な機会や節目を無くしてしまうということで、それはすなわちメリハリのない人生、すなわち刺激も楽しみも無くなってしまうと言うことなのです。

たかがお花1つですが、この特別感の演出には欠かせない存在であるのもお花なのです。

新春互礼会にお花の準備に行った時の私の特別な時間

ちなみに私も今日は特別な時間を過ごさせて頂いてきました。毎回お花の生け込みに伺った日は駐屯地司令と一緒に昼食をご馳走にならさせて頂きます。
隊員の皆さんの食堂って幹部の食堂と隊員の食堂が分かれていて、幹部の食堂に一緒に入らせていただきます。

 

席には名札までご用意くださって、嬉しくてテンションあがっちゃいます。(私の名札の向こうの”群長”っていうのは駐屯地司令の事です)

あっ、私が生けた新春互礼会の会場入り口の迎え花はまた明日紹介させて頂きますねー。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。