いけばなの本当の魅力や価値は、技術や知識ではなく友達や仲間にこそあると思うのです

こんにちは。
いけばなの光風流家元 内藤正風です。

「いけばな」はお花をきれいに生けるためのものだと理解をされている方が多いですが、実はそうではありません。
「いけばな」で何故いろいろな技術や知識を学ぶかと言うと、その知識や技術を生かして自分の思う表現を行い楽しみを広げる事ができるようになるためです。

いけばなには仲間の存在が不可欠です

そんな「いけばな」ですが、お花を生ける技術や知識だけを学んでいれば楽しめるのか、満足感を得ることができるのかというと決してそうではありません。
ではどうすればお花を長くライフワークとして楽しむことができるようになるかというと、仲間友達の存在を欠かす事が出来ないのです。

私がいけばな人生の中で拝見している限り、いけばなを通じた仲間や友達がたくさんおられる方は、いけばなを長ーーく楽しまれているように思います。
逆に周りに仲間や友達を作らず1人でお花を楽しまれている方は、いけばなを一生のライフワークとしていただくことができていないように思います。

仲間がいるから頑張ろうと思える

人間は気分が乗っている時とそうでない時があります。気分が乗っているときには自分1人でもどんどん前に進んでいけるのですが、気分が乗っていない時や「あー今日はサボりたいなぁ」と思ったりするようなときには、仲間や友達が「どうしてるの一緒にお稽古に行こうよー」と言って声をかけてくれることもとても大きな力になります。また「お稽古に行けば仲間に会ってアホな話をして笑ったりグチを言ったりして楽しい時間を過ごせるから行こう」っていうふうに思えるのも大きな原動力になります。

人は1人では生きていくことができません。
人里離れて仙人のような暮らしをしているから人との関わりは必要ない。私は1人で生きていると言われる方もあるかもしれません。しかし人間は決して1人では生きていくことができないのです。
なぜなら山にこもって仙人のような生活をしている人も、その人が日頃とおっている道路は誰かが工事してつけてくれた道です。
また仮に生活する中で電気を使っていれば、誰かがその電線を家まで引いてくれています。あるいはガスを使っているならば、そのガスは誰かが生産してくれたからこそ、そのガスが存在しているのです。

良い仲間を作れるいけばな教室を目指す

「いけばな」はお花を生けると言うことが魅力だと言うふうに思われている方も多いでしょう。しかし実は「いけばな」の本当の魅力は、お花を生けると言うことを通じて得ることができたと仲間との関わり、あるいは同じ趣味を持つ友達との交流にこそ本当の価値魅力が私はあるのではないかなと思っています。

良い友達の存在こそが人生を楽しくしてくれるし豊かにしてくれるように、いけばなの楽しさの要素にも友達の存在が大切だと思います。
そういう意味でいうと、いけばなを指導されている人はお花の知識や技術だけに終始するのではなく、良い仲間作りまで意識をすると生徒の皆さんにいけばなを長く楽しんでいただけるようになると私は思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。