仕様をいくら伝えても、理解を得る事は難しいです。理解を得たり賛同をして頂くためには本質の部分が重要になります。

こんにちは。
いけばなの光風流家元 内藤正風です。

今日は8月に開催する予定の「光風流いけばな展」に作品を展示してくださる皆さん方への説明会を開催いたしました。

 

皆さんむっちゃ熱心に説明を聞き、ご質問をして下さいました。

人は変化をせずに済まそうとします。しかし変わらなければ永続性は無いのです

そんな中改めて、今日は感じる事が何点か有りました。

その1つ目が、「今までに無かった事をしようとすると、人は不安を感じたり、現状に踏みとどまろうとする」ということです。

これは良い悪いと言う事を言っているのではありません。
これこそが人間の本質と言うか、人間の防衛能力と言うか、だからこそ生き延びてきたんだなぁって思うのです。

今までに無かった事をするということは、どういう結果が出るかわからないですよね。
成功するかもしれない。
逆に大失敗するかもしれない。
こういう思いって人間にとって不安要因であり、ストレス以外の何物でもありません。
だからこそ、そう言うことは避けようと思いますし、拒否したくなるんですよね。

しかし永続性という観点でいうと、変革を恐れず変わり続けないと時代遅れになってしまって生き残る事が出来なくなってしまいます。

矛盾しちゃうんですよね。
ジレンマ状態になっちゃうんです。

この矛盾から抜け出す唯一の方法は、本質をしっかりとみると言う事以外にはないと思うのです。

本質をしっかり見ると言う事

では、この本質をしっかりとみるっていうのはどういう事かと言うと、何のために行っているのか。と言う事を明確にするって言うことです。

何を目指しているのか、どうしようと思っているのか、って事ですね。
これが2つ目に感じた事です。

人は何かを相手に伝えようとした時に、どうしても仕様にばかり意識が行っちゃいがちになります。
仕様とはすなわちスペックです。
こんな大きさ、こんな高さ、こんな広さ、こんな色。。。。。
こう言う仕様だけに終始してしまうのは、初めての事柄について説明をしている状況であればあるほど、聞いている人を不安にさせてしまうのです。

初めて経験する大きさだと、そんなに大きいの大丈夫?って思います。
今までにしたことない高さだと、そんなに高いと怖い!って思います。
今までに経験した事の無い広さだと、そんなに広いのをどうするの?って思います。
初めての色の場合には、そんな色より今まで経験した色の方が良いんじゃない~って思います。
。。。。。
ねっ、言えば言うほど不安を余計に刺激しちゃうのです。

不安を刺激するということは、反感を買ってしまったり拒否反応に結びついてしまうって事になるのです。
すなわち仕様をいくら説明しても相手の人の理解を得る事は出来ないのです。

仕様をいくら伝えても、理解を得る事は難しい

ではこう言う場合には何が必要なのかと言うと、本質をお伝えすることで理解して頂こうとする事です。

この伝えるべき本質とは何かと言うと、
何を目指そうとしているのかと言う事であったり、
なぜその事が必要なのかと言う事であったり、
その事をする事によってどんなメリットがあるのかと言う事であったり、
その事を通じてどんな経験やノウハウを得る事が出来るか、と言う事です。

仕様はいくら並べても、気持ちや思いは伝わりません。
ってか逆に、気持ちや思いを伝える邪魔になってしまうのです。

そんな事を改めて感じた、説明会でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。