いけばな展の ”準備” と ”撤収” から学ぶ、何かを作り上げるにはとても大きな力が必要になるが、壊すのはアッと言う間だという事
ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
今日と明日は、「創立65周年記念 光風流加西支部いけばな展」が、3支郡5会場にて開催されています。
昨日の金曜日は、各会場にて会場設営や生け込みが行われ、明日の日曜日には、夕刻から撤下撤収が行われます。
”撤収” ってアッという間です
いけばな展にの時に、よく聞かれる質問がいくつかあるのですが、その中の1つに「これだけの作品や設営された会場を片付けるのって、手間と時間がかかるんでしょう」というものがあります。そんな時の私の答えはいつも決まっています。
「かなり大きな作品でも、ものの30分もあれば、ほぼ大半の作品が片付きます!」って。
作品を生ける時には何時間もかかります。なので生け込みとして予定されている時間で足りなさそうなときには、事前に ”下生け” という料理でいうところの ”下ごしらえ” 的な作業をおこなっておいて、生け込み当日は予定されている時間内に作品が出来上がるようにします。
しかし逆に片づけるのはムッチャクチャに早いです。
生けるときには枝や花1本1本をmm単位でこだわりながら生けてゆきます。そして挿した枝や花や葉を安定させるために様々な手法を駆使して固定もしてゆきます。なので当然時間がかかるようになります。
しかし撤花するときには、何も考えずに器から抜けばいいだけなのです。
知識も技術も必要ありません。お花を器から抜いて、持って帰りやすいようにまとめて荷造りをする。
器に入っている水を抜いて捨てる。器や敷板を梱包して荷造りする。そして搬出する。
たったこれだけなんですから、生け込みとは比べ物にならないほど早いんです。
何かを生み出すのは大変だが、潰すのは簡単
いけばなの作品を作り上げるって時間と手間、知識や技術など色んなものが必要になりますが、片づける・潰す・壊すのはアッと言う間なのです。
多分これって、”いけばな” に限った事では無く、何事によらず全てに同じことが言えるんだろうなと思います。
家を建てるのは何カ月もかかりますが、壊すのは1日で出来ます。
新しい企画を立ち上げるのは何カ月も何年もかかりますが、行なっているものをやめるのは一瞬です。「や~めた」でいいんです。
お料理を作るのには何時間もかかりますが、食べるのは数十分、捨てるのは数分あればOKです。
新しいものを生み出すパワーって、本当にすごい時間や労力、経験や知識が費やされているってことを忘れてはいけないし、古いものを壊して新しいものを生み出すときには、以前のものが生み出されるときに費やされたパワーに敬意を払わなければ絶対にいけないなあと、そんな事を「加西支部いけばな展」に際して改めて思ったので、ブログで取り上げてみました。
内藤正風PROFILE

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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。





