生け込みと撤花から学ぶ、何かを作り上げるのには時間と手間、知識や技術など様々なものが必要になるが、壊すのはアッと言う間という事

こんにちは、内藤正風です。
現在開催中の「兵庫県いけばな展」もいよいよ最終日となりました。

 

今日は次の催しとの催し替えとなりますので、夜は16時30分までとなりますので、今日いけばな展を見に行こうと思われている方はくれぐれもご注意くださいね。

ち、な、み、に。。。
わたくし内藤は、今日は所用のために会場にはおりません。愚息の内藤貴風は朝から会場におりますので、何か御用がありましたら受付で「内藤貴風を呼んで~」って仰ってくださいね。

”撤収” って手間がかかるのか?

いけばな展にお越しくださった方から「これだけの作品を片付けるのって、手間と時間がかかるんでしょう?」ってご質問される方があるのですが、私の答えはいつも決まっています。
「かなり大きな作品でも、ものの30分もあれば、ほぼ大半の作品が片付きます!」って。(笑)

作品を生ける時には何時間もかかります。なので生け込みとして予定されている時間で足りなさそうなときには、事前に”下生け”という料理でいうところの ”下ごしらえ” 的な作業をおこなっておいて、生け込み当日は予定されている時間内に作品が出来上がるようにします。
しかし逆に片づけるのはムッチャクチャに早いです。

生けるときには枝や花1本1本をmm単位でこだわりながら生けてゆきます。そして挿した枝や花や葉を安定させるために様々な手法を駆使して固定もしてゆきます。
なので当然時間がかかるようになります。
しかし撤花するときには、何も考えずに器から抜けばいいだけなのです。

知識も技術も必要ありません。
お花を器から抜いて、持って帰りやすいようにまとめて荷造りをする。
器に入っている水を抜いて捨てる。
器や敷板を梱包して荷造りする。
搬出する。
たったこれだけなんですから、生け込みとは比べ物にならないほど早いんです。

何かを生み出すのは大変だが、潰すのは簡単

いけばなの作品を作り上げるって時間と手間、知識や技術など色んなものが必要になりますが、片づける・潰す・壊すのはアッと言う間なのです。
多分これって、”いけばな” に限った事では無く、なにごとによらず全てに同じことが言えるんだろうな~と思います。

家を建てるのは何カ月もかかりますが、壊すのは1日で出来ます。
新しい企画を立ち上げるのは何カ月も何年もかかりますが、行なっているものをやめるのは一瞬です。「や~めた」でいいんです。
お料理を作るのには何時間もかかりますが、食べるのは数十分、捨てるのは数分あればOKです。

新しいものを生み出すパワーって、本当にすごい時間や労力、経験や知識が費やされているってことを忘れてはいけないし、古いものを壊して新しいものを生み出すときには、以前のものが生み出されるときに費やされたパワーに敬意を払わなければ絶対にいけないなあと、そんな事を改めて思う機会になりました。

それでは「兵庫県いけばな展」最終日、どうぞよろしくお願いいたします。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。