大阪・関西万博で感じた、体の不自由な人やお子様連れの方が安心して過ごせる世の中は大切ですが、優遇されるのが当然という考え方はおかしいのではないかという事
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ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
今日でいよいよ万博も閉幕となります。5月から10月まで何度も万博に行きましたが、パビリオンの展示を見てものすごく刺激を受けましたし、学びを得ると共にいけばなの作品作りに役立つ機会になりました。
そんな中で、万博が終盤に入って来場者がものすごく多くなった9月10月に、違和感を感じる事がちょくちょくありました。それは何かというと、体の不自由な人やお子様連れの方が安心して過ごせる世の中は必要ですが、それを悪用する人がおられるという事です。
自分の都合で車いすに乗るときと、自分の足で歩くのを使い分けている高齢者
万博では、体の不自由な方やお子さん連れの方が不利益を被る事の無い様に、様々な方策が取られていました。私はこのこと自体はとても素晴らしい事だと思います。だって身体が不自由だから行くのをやめようとか、子供が小さいから行くのをやめようなんて考えないといけない世の中って絶対に健全ではないですから。
がしかし一方で、こういう方策を悪用する人が一定数居ることも、万博では何度か目にしました。
ある予約に当選し、パビリオンの前で入場を待っている時の事ですが、車いすに乗っておられる年配の女性が、「車いすはどこから入れますか」「私は真正面の席に座りたいのです」とパビリオンの方に話されていました。
そこでパビリオンの方が、「車いすの方は別の入り口から入っていただき、真正面ではなく斜めに位置する車いすの席にご案内させて頂きます」と話されたら、「私は車いす無くても歩けるので、では車いすを置いておいて入場します。」と話されて車いすを建物の横に置いて来られたんです。
いやもう、ポッカ―ンです。その年配の女性はパビリオンの横に車いすを置きに行って、普通にスタスタ歩いて帰ってこられるのです。その上入場が始まったら、若い方よりも速いスピードでスタスタ歩いて行かれて、一番前列の真ん中の席に座られているんです。
もう何とも言いようがありませんでした。
1台のベニーカーについて、大人数で入場するグループ
あるいはパビリオンに入るのに並んでいたら、車いすの方と共に4~5人くらいの方が一緒に来られて、優先入場入り口からその4~5人の方も介助者として一緒に入ってゆかれたという事もありました。この時も「いやいやいや、介助者そんなにいらないでしょう。。。」って私は思いました。
そしてこのパターンはベビーカーを押されているご家族でもありました。ベビーカーに乗った小さいお子さんとそのベビーカー押しているお父さん。子供の荷物が入っているであろう大きめの鞄を持ったお母さん。そしてそこに、どうやら父親方母親方のご両親、つまり爺さん婆さん4人の総勢7人で、そのまま何食わぬ顔で優先入り口から入ってゆかれていたのです。
これってなんか違和感を感じるのは私だけでしょうか。優遇を悪用していると感じるのです。
対等であるためのルールは必要です。しかし行き過ぎた優遇や優遇の悪用は、対等では無くなっているのではないか
身体が不自由とか、ベビーカーを押しているという事で、不利益を被ることは有ってはいけないと思います。
これは人間は全て平等でなければならないと思うからです。がしかし、身体が不自由だったりベニーカーを押している人を優遇するのが(されるのが)当然という考え方や、その優遇を悪用するという考え方には、私は違和感を感じるのです。だってそれって、こういう弱者と呼ばれる方たちを別の意味で対等に扱っていない(一人前扱いしていない)という事に外ならず、優遇という名の弱者差別をしている事にもなりかねないと思うのです。
対等であるために優遇するという事は、絶対に必要だと思います。がしかし、体が不自由な方やベニーカーを押しているから、とにかく優遇しなければならない(優遇させるのが当然である)、あるいはそれを悪用するというのは、別の意味でお互いに相手を尊重していないという事ではないのかなぁと思ったりもしました。
内藤正風PROFILE

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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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