「花冷え」の様に叙情と情景に溢れた ”粋” な言葉の種類が世界一多い国は「日本」です

「花冷え」って好きな言葉の１つです
粋な言葉の種類が世界一の国「日本」

こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

今日は朝から終日、光風流本部いけばな教室でお稽古日でした。お昼間はとても良い天気で日差しが差し込んでいる時は半袖でも良いくらいでしたが、夜になるとやっぱり寒いですね。

光風流本部いけばな教室の駐車場にある枝垂桜の花もあと何日楽しめるのかなぁ。

「花冷え」って好きな言葉の１つです

「花冷え（はなびえ）」って言葉があります。この言葉は私の好きな日本語の１つでもあるのですが、意味は「桜が咲くころに寒さがもどること」をいいます。

気温が下がったのなら単に「寒い」とか「寒の戻り」と言えば意味は十分に伝わります。しかしそれを３月下旬から４月上旬にかけての春らしくなってウキウキしてきた時期だけに「花冷え」という風に表現するって、もの凄く素敵だなぁと思うのです。
こんな風な表現をすることが出来る日本人って、本当に叙情と情景が豊かな民族なんだなぁと感じますし、日本人に生まれてよかったなぁと思います。

粋な言葉の種類が世界一の国「日本」

私は日本人ほど季節と言うか「自然」に寄り添って歴史を積み重ねてきた民族は世界中にいないと思っています。
「自然」に寄り添うと言うのは、「自然」を敬い、「自然」を畏れ、「自然」と共存してきているという事です。すなわち、自然を自分にとって不都合だからと言って力でねじ伏せるのではなく、自然の中の一員として共に生きてゆくという事です。

例えば、夏が暑いのは当たり前なので、すだれの建具や夏用の座布団などでその季節ならではの風情を生活の中で楽しんだり、雨もその季節や降り方によって、霧雨（きりさめ）、時雨（しぐれ）、春雨（はるさめ）、五月雨（さみだれ）、狐の嫁入り、氷雨（ひさめ）などのように趣きある言葉で呼んだりするっていうのは、自然と共存している日本人ならではのものだと思うのです。

そんな叙情と叙景に溢れた日本に、そして日本人に生まれてよかった！って思うと共に、私自身もっともっとこういう事を知り学びたいですし、それと共にこういう日本人の粋は後世にちゃんと伝え大切にしてゆかないといけないよなぁと思います。

内藤正風PROFILE

内藤正風

平成５年（1993年）、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。