明日は24節気の「大寒」で一番寒い季節になりますが、寒いからお部屋のお花は痛まないと安心するのは早計ですよ

おはようございます、内藤正風です。

先日から最低気温が一気に下がり、毎日寒い寒いと言いながら暖房が何よりのご馳走になっています。

明日は二十四節気の「大寒」です

そりゃ寒いはずです。1月5日から「小寒(しょうかん)」、明日1月20日からは「大寒(だいかん)」という節目を迎え、1年のうちで一番寒い時候になっているのですから。

ちなみにこの「小寒」や「大寒」というのは、1年を12カ月ではなく24に分けて、その時候の特徴をそれぞれに名付けた「二十四節気(にじゅうしせっき)」というものになります。

寒い時候にお花が長持ちするのは、細胞やバクテリアの活動が緩やかになるからです

いけばなは生の植物を素材としていますので、今の時候が1年のうちで一番お花が長持ちするようになります。
これは2つの理由があり、1つは気温が低い事によって植物の細胞活動が遅くなっているという事、そしてもう1つは気温が低い事によって水が傷みにくくなっているという事です。

少し詳しく説明しますと、植物は気温が高くなると細胞の活動が活発になり、葉が茂るようになったり花が咲いたりするようになります。しかし逆に寒いと細胞活動がゆっくりになるので、つぼみが膨らむスピードや花が咲くスピードがゆっくりになります。
なので冬にお花が長持ちするというのは、活動がゆっくりだから長持ちしているように感じるという事なのです。

そしてお水ですが、水は器に入れた瞬間から痛み始めます。これは流水は痛まず貯めた水は痛むということが水の特徴だからにほかなりません。
そしてこの水が傷むという事に大きく関係しているのが、「バクテリア」の存在です。
水は透明で綺麗に見えても、その中にはバクテリアが存在しています。そして空気中にもバクテリアが存在しています。お水を入れる器にもバクテリアが存在しています。
そんなバクテリアですが、気温の低い時には増殖しにくく気温が高くなると増殖のスピードが速くなります。
なので気温が低いとバクテリアが増えにくいので水が傷みにくく、気温が高いとバクテリアが増殖しやすいので水が早く痛むようになるという事なのです。

寒いからと言って、お花が長持ちすると思うのは危険です

ところで、皆さんが日ごろ生活をされているお部屋って、暖房されていますか?それとも暖房していないお部屋の居られますか?
こんなに寒いのに暖房していないなんて方は、ほぼ居られないと思います。
という事は、気温は5度とか6度くらいだとしても、お部屋の温度は24度か25度くらいになっているという事なのです。

この24~25度って時候でいうと5月とか10月とかくらいの温度になりますので、このお部屋にあるお花も水も活動は活発になっているってことがお分かりいただけると思います。
すなわち植物もそれなりに活発になっていますし、バクテリアの発生も結構活発になっているという事なのです。

お花が痛む原因の1番は、お水の痛みです

暖房をしているお部屋にお花を飾っている方は、水替えはしっかりと行なっていただいたほうが良いと思います。一見すると水は透明で綺麗に見えても、バクテリアは日々増殖しているからです。
例えばバクテリアが2倍で増えたとして、それが10回繰り返されたらたら、1個が2個、2個が4個、4個が8個、8個が16個、16個が32個、32個が64個、64個が128個、128個が256個、256個が512個、512個が1024個になるのです。
こんなのお水の中は、あっという間にバクテリアだらけになってしまいますよね。

お花が痛む原因の1番は、お水の痛みです。傷んだ水を吸いバクテリアが茎や葉や花の中に入ることによって、お花は痛んでいるのです。

寒いからと言って安心せずに、お水を定期的に変えてあげるようにしていただくと、お花は今よりももっと長持ちするようになりますよ。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。