作者の熱い意図は必ず観手に伝わるのだという事をまざまざと見せつけられた「光風流Instagramフォトコンテスト」

こんにちは。内藤正風です。

一昨日のブログで「光風流いけばな展」において催した「Instagramフォトコンテスト」の入賞作品の発表をさせて頂きました。
まだ見ていないようでしたら、こちらからご覧ください。↓↓
光風流いけばな展において行なった「Instagram フォトコンテスト」の入賞作品を発表いたします

このフォトコンテストで今回は「なるほどな~」という事を感じました。ってか「やっぱりそうだよな~」って感想と改めての気づきの機会になりました。

今回の入賞作品の共通点

今回の「Instagramフォトコンテスト」に入賞した作品には共通点があります。
それは。。。

全ての入選作を応募してくださった皆さんが、いけばな作品の作者が一番心を込めたり、作品を作りあげるスタートの段階においてイメージの中核としておられた部分を切り取って、自分なりの表現をしてくださっていたのです。

これ本当にビックリしましたよ。
審査をお願いしていた皆さんから入賞作品を選んで連絡をいただき、その写真を選んだ講評を受け取って読むたびに鳥肌が立ちまくりでした。

検証その1 栄光社賞の作品

 

この作品を生けた松本利甫さんは、作品作りの一番最初から「杉原紙を使って和紙から出る表情を生かした作品にしたい」、そして「杉原紙で扇を作って表現をしたい」と仰られて作品を作りあげてこられていましたので、まさしくその部分が写真を撮影された”keitarosan”さんに伝わっていたんだなぁってことが良くわかります。

検証その2 起業女性の会 はぁと賞の作品

 

この作品を生けた常廣智甫さんと本西圭甫さんは「富士山を表現したい」というイメージから、作品作りがスタートしました。お2人は富士山の雄大さ、そしてその富士山のある雄大な姿を表現しようとして思考錯誤をされていましたが、まさしくその部分が写真を撮影された”Mikouartshodo”さんに伝わっていたんだなぁってことが良くわかります。

検証その3 YUNA STYLE賞の作品

 

 

この作品を生けた門脇和甫さんは「ツルで出来ている”円”と”真ん中のお花”との対比が生きる構成にしたい」というイメージから、作品作りがスタートしました。
曲線と縦に立っている線の姿の対比の妙、そして実(み)の色と葉っぱの彩りの対比など思考錯誤をされていましたが、まさしくその部分が写真を撮影された”hiromitsumaruoka”さんに伝わっていたんだなぁってことが良くわかります。

検証その4 光風流ジュニア賞の作品

 

この作品を生けた龍田美甫さんは「林の中にある鳥かごのイメージ」を形にしたいと思って全ての構想づくりをスタートされましたし、鳥かごの大きさもかなりの試行錯誤をされました。
まさしくその部分が写真を撮影された”nobochi_”さんに伝わっていたんだなぁってことが良くわかります。

いけばなの作品は小手先だけの手慰みではない

わたしはこの4つのInstagramフォトコンテスの入賞作品を見ていて「観手に伝わるという事」を改めて考える機会になりました。
だって、小手先だけの技術で見栄えの良い作品を作りあげても、人の心に訴えかけるような作品は出来ないんだなぁという事をこんなにも目の前で見せつけられたのですから。

小さな子供がお遊戯会で一生懸命に演技する姿を見て、親だけではなく赤の他人の大人までが感激するっていう事と同じだと思うのです。

一生懸命に!心を込めて!!持てる限りの力で!!!力いっぱい表現する!!!!ことの大切さを改めて感じる機会になりました。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。