いけばな展で展示する作品を会場で生けるときの「緊張感」と「熱気」が、子供の頃から大好きなんです

こんばんは。内藤正風です。

今日は夕刻から、明後日9日(木)から神戸の大丸で開催する「いけばな神戸展」で展示する、私の作品の下生けを行ないました。

”下生け”っていうのは、お料理でいうところの”下ごしらえ”と同じような作業になります。

いけばなの作品は、事前の準備が一番大切です

いけばな展で展示する作品は、展示会場に行って現場で作品を作り上げます。
なので事前に、材料の枝ぶりや器などを確認するとともにザックリとだいたいの形を作ったりして、会場でお花を生けて作品を作るときにスムーズに進むように準備をしておくのです。
作品を作るのに時間のかかる作品の場合には、大まかに作品を作っておいて会場では最後の仕上げを行なうだけにしておくなんてこともあります。

昔から言う「段取り8分」って、まさにこういうことだと思います。

いけばな展の「生け込み」って痺れるような空気感にあふれています

私は子供の頃からいけばな展の空気感が大好きです。
いけばなの家元の家に生まれましたから、小さな頃からいけばな展の会場や日頃のお稽古の教室や、講習会の会場など、色んなところに連れて行ってもらっていましたが、その中でもいけばな展の会場の空気感って独特なものがあります。
どんなふうに独特なのかというと、いけばな展の会場って人が沢山いて活気と笑顔に溢れている場なんです。ま、子供って人が沢山いるところが好きですもんね。(笑)

そんないけばな展なんですが、私は子供のころから作品を会場で作り上げる「生け込み」の時間が1番好きなんです。
子供の頃はとにかく「生け込み」の空気感が好きだってくらいしかわかっていなかったですが、大人になってみてからよくよく考えると、日頃の生活の中では感じることのない特殊な場所で、その特殊感に痺れていたのだと思います。

それは一言でいうならば、触れると切れるような「緊張感」と、不用意に近づくと火傷してしまいそうな「熱気」なんです。

”テンションマックス” + ”集中力最大” + ”パワー全開” な空間

「いけばな」は生のお花を素材とします。なので書や絵や陶器のように、事前に作っておくことは出来ませんし、いっぱい作ったものの中から一番良いものを選んで展示する事も出来ません。その場所で一発勝負で制作するのです。
なので「生け込み」の時には会場にいるすべての作者の人が、テンションマックス+集中力最大+パワー全開になるんです。

そんな状態の人が何十人も何百人も集まっている会場の空気感って想像つきますか?
大人でも初めてこの会場に足を踏み入れた人は、会場の空気感に圧倒されてしまう方がおられるくらいなんです。

明日は「いけばな神戸展」の生け込みです

さあ、明日はいよいよ「いけばな神戸展」の前期の生け込みです。まずは私自身がこの空気感を楽しんできますね。
そして光風流から作品を展示してくださる皆さんの作品作りのサポートもしてきたいと思います。って言っても、横でジーーーーッって見ているだけですけどね。
だって、それぞれの作品はそれぞれの方の作品なんですから。作品の生け込みガンバレ〜って応援してきます。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。