複数のいけばな展をこなしながら思った、生け込みや手直しの「お手伝い」をして下さる方は ”サポーター” だという事

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

今日から、私の秋のいけばな展のシーズン第2弾となる「兵庫県いけばな展(淡路島会場)」がスタートしました。

いけばな展において絶対に欠かせない大切なものに「お手伝い」があります

いけばな展で展示する作品は、現地の会場に行ってお花を生け作品作りを行う「生け込み」が不可欠です。そして毎日お花の水を替えたり傷んだお花を替えたりする「手直し」も不可欠になります。
そんな「生け込み」と「手直し」の時に、重要な存在があります。それは「お手伝い」です。

皆さん「お手伝い」って聞かれて、なにを連想されますか?お花を生けている人の下働き?器や花材などの荷物運び?お花を生けている人から言われた事だけやっていればいい?そんな感じでしょうか。ちなみにこれらの事は全部、間違った理解です。

「お手伝い」とはお花を生ける人の ”サポーター” です

サッカーではサポーターのことを12番目のメンバーと言う風に言いますが、お花を生ける時の「お手伝い」は、まさしくいけばな作品を作り上げ、そしてその作品を維持するために不可欠なメンバーなのです。

たとえば、お花を生ける人がたった1人でポツンといる状態よりも、誰かが傍にいてくだされば心丈夫ですよね。つまりその意味では、「心の支え」というサポータです。

荷物を運ぶのも、1人で沢山の荷物を運ぶのは大変ですが、お手伝いの人と手分けした方が運ぶのも助かりますよね。重い荷物を1人で運んだら、会場に着いたら疲労で手が震えてしばらく生け込みが出来なくなっちゃったりする事もあります。その意味では「肉体的な支え」というサポーターでもあります。

お花の生け込みは時間が限られています。そんな中でいかにスムーズに作業を行なう事が出来るのかは、お手伝いして下さる人によって大きく左右されるといっても過言ではありません。
お花を生けている人が、今どの材料を必要とされていて、枝振りやお花の咲き具合など、どの材料を渡すと喜ばれるのかなど予測をしながら必要な材料を渡したり、補助したり、不要な枝をはらったりとサポートすることができるのは、色んなことを知っていていろんな経験をしているからでなければできません。まさに「お花を生ける支え」というサポーターなのです。

そして今回の私のように、複数のいけばな展が重なっていると、どうしても手が足りなくなってしまいます。事実今回の私も、今日は「大阪・関西いけばな展」の朝の手直しに行けませんでしたので、光風流の方に手直しをお世話になりました。

生ける人がいかに気持ちよく作品作りに集中する事が出来るようにするか。不要な手間を省く事が出来るようにするか。手や身体の回らない所をサポートするか。
お手伝いと言うのは、荷物を運んで掃除をするというような下働き的な存在ではなく、生ける人の舞台を整える。いや舞台だけじゃないな気持ちまでも整える。手や身体の回らない部分を支える。そんな意味でいうならばプロデューサーでありディレクターでありカウンセラーでもあるのです。
つまり、良い作品が出来上がるかどうか、作品を良い状態で維持することが出来るかどうかは、お手伝いの人にかかっているといえる存在なのです。

9月28日(日)まで「兵庫県いけばな展(淡路島会場)」
9月28日(日)~30日(火)まで「大阪・関西いけばな展」
が開催中です

今日からスタートした「兵庫県いけばな展(淡路島会場)」は、明日9月28日(日)まで洲本市文化体育館を会場に開催しています。
ちなみに光風流からは、内藤正風、内藤貴風、藤本和甫の3人が作品展示をしています。

そして現在あべのハルカスにて開催をしており、今日、前後期の生け替えを行なう「大阪・関西いけばな展」は、明日9月28日(日)~30日(火)まで後期が開催されます。
ちなみに後期には、愚息の内藤貴風が作品展示をいたします。

出瓶者と、お手伝いの皆さんの力によって出来上がっている作品を、是非見にお越しいただければ嬉しいです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。