7月5日(土)6日(日)に開催する「光風流いけばな展」の準備をしながら思った、新しい挑戦をし続ける事がすなわち「適者生存」に繋がり、未来への扉を開く唯一の方法だということ
ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
今日は朝から夜まで、光風流本部いけばな教室においてお稽古を開催しています。
光風流いけばな展まで20日を切り、いけばな作品作りだけではなく、デモンストレーションの準備もいよいよ大詰めになっています。
デモンストレーションは、皆さんの前で花を生ければよいのではない
この度の「光風流いけばな展」は、光風流創流65周年記念として開催いたします。なのでこの度は、いけばな作品を展示するだけではなく、音楽の演奏といけばなデモンストレーションのコラボレーションを行ないます。
もう少し詳しく説明しますと、様々な楽器により演奏される様々な楽曲とともに、お花を生け、その出来上がってゆく過程を楽しんでいただくというものになります。
音楽とはまさに「音」に他ならないのですから、”耳で聞く”という事、そして音という空気の振動を”肌で感じる”という事が要素であり、いけばなは作品の出来上がる過程を”目で見る”という事と、植物のにおいを”鼻で感じる”ということが要素になります。
つまり音楽といけばなが組み合わさることによって、味覚以外の五感を刺激する場がそこに生まれるという事なのです。
なので私はいけばなも音楽も、ただ生ければ良い、ただ演奏すれば良いという機会ではなく、両者がともにお互いを刺激しあい「魅せる」という事こそが、この機会には目指さなければならないモノであると考えています。
「いけばな」700年の歴史は新しい事への挑戦の歴史なのです
いけばなは700年と言う長い歴史があります。日本古来からあるものと言う事で古臭いものというようなイメージをもたれている方が多いですが、これは全く違うと私は断言します。
「伝統」とは言うなれば「足跡」です。その時代時代の華道家が、時代の流れや移り変わる環境の中で、新しい挑戦を行い一歩ずつ歩を進めてきたからこそ700年と言う伝統を積み重ねる事が出来ているのです。
住宅環境の変化、人の価値観の移り変り、こう言うことを無視して皆さんに受け入れられる事は絶対にありませんし、そうなれば当然未来もありません。
すなわち言葉を変えるならば、700年間、時代の最先端を積み重ねて来たものが「いけばな」であると言えるのです。
「強者生存」ではなく「適者生存」
今世の中の価値観や環境は大きく移り変わっています。床の間をはじめとする畳の部屋の減少に代表される住宅環境の変化、スマートフォンの普及などによる情報の伝達方法の変化と情報価値の変化に代表される人々の価値観の変化、他にもいっぱいありますが、とにかくもう10年前と今とでは全く違う世の中になっています。
そんな中で未来に生き残っていくことが出来るかどうかは、変化出来たものだけが生き残る事が出来るという事だと思います。動物でいうと、強いものが生き残る「強者生存」ではなく、その環境に適合したものが生き残る「適者生存」なのです。
今が良いからと言ってそのまま変革を恐れていては、気付いた時には適者ではなくなってしまいます。常に挑戦し続ける事のみが自らを時代にあわせて変革させることが出来る唯一の方法ですし、だからこそ適者として生き残る事が出来るのだとおもいます。
その意味で今回の「光風流いけばな展」が、展覧会に関わってくださっているすべての皆様にとって、新しい体験の機会になり、そのことが新しい一歩を踏み出すきっかけになり、色んな経験や学びの機会になることを切望しています。
内藤正風PROFILE

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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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