いけばな展の案内には、「個」の力と「口こみ」が一番大きな力になってきたのだと思う。
こんばんは。
いけばなの光風流家元 内藤正風です。
先週の土曜日曜に、光風流の師範有志のグループが、兵庫県西脇市にある国登録有形文化財「旧来住家住宅」に於いていけばな展を開催しました。
とても沢山の方にご来場いただく事が出来、グループの皆さんもとても喜んでいて本当に良かったと思っています。
だって折角いけばな展しているのに、だ~れも来られないだなんてホンッとうに悲しいですもんね。。。。
そんな中で今回とても印象的な事がありました。
それは、私のFacebookの投稿をご覧になられていけばな展を知ってお越しくださったかたがあったのです。
お越し下さった方は、いけばな展を開催されたグループメンバーのお知り合いではなく、私のFacebookをご覧になられて「いけばな展」の事を知りわざわざお運びくださった様なのです。
なので正直なところ私もどんな方がお越しくださったのか全く分からないのです(^^;
世の中の情報の流れや、興味を持つ方法が変わってきている
これまででしたらチラシや案内はがきで、とにかく広範囲に案内をするのが普通でした。
より広範囲に、より沢山の枚数を配布すれば、ある程度の人数がお越しくださるという成果にも結び付いていました。
しかし現在、こういう不特定多数に対するご案内の方法をとっても、いけばな展にお越しいただく事は非常に難しくなっています。
もっと言うならば、昔と比べて「いけばな展」にお越しくださる来場者数は年々減っています。
昔ならば「いけばな展」にお越しくださった方から、お稽古したいのですけれども。。。という問い合わせや申し込みなどもありましたが、現在は激減しています。
では今どうなってきているかというと、友人や知人が作品を展示しているから見に行こう。
友人や知人が一緒に行こうと言うから、見に行こう。というような行動になってきているように思います。
作品を展示している人数が多い時には、来場者数も増えますが、作品を展示している人数が少ない時には、来場者数も減っています。
いけばな展に行こうと思うかどうかは「人」というのが大きなキーワードになっている
この状況から感じるのは、いけばな展にお越しになられるかどうかの一番のポイントは「人」というのが大きなキーワードになっているように思います。
〇〇流のいけばな展だからとか、特徴ある材料が使われているからとか、生け方が好きだからとかっていうのは、もう既にお稽古をされている方や、ある程度いけばなに関して造詣の深い方の動機であって、いけばなを初めて見るとか、いけばななんて今までに身近に無かったっていうような方から見ると、全く動機にならないのです。
それよりも、友人の○○さんが作品展示しているからとか、おばさんが作品を展示していて見に来てって言われたからとか、いけばな展見に行ってきたんだけれど面白かったから行っておいでって友人から薦められたとかって事の方が、大きな動機になるのです。
今回私のFacebookの投稿で、いけばな展を知ってお越しくださった方も、日頃から私のFacebookやBlogの投稿をご覧くださっている方だろうと思います。
だって初めて見かけて興味を持つだなんてまずないですから。。。。。
内藤のところの光風流の師範がグループでいけばな展してるんだったらチョット見てみたいな~って思ってくださったか、国登録有形文化財の「旧来住家住宅」を会場にしているので、この建物に興味をお持ちくださったのか、またまたあるいは、敷地内に有る「梅吉亭」では、日替わりでランチやカフェを提供する日替わりシェフ方式で営業されていますので、そちらに興味を持たれたのか、って事ですよね。
「個」が大きな力を発揮する時代
しかし今はこんな手法よりも、友人知人にご案内する「口こみ」が一番大きな力を発揮しているように思います。
「口こみ」に勝るものは無いでしょうし、「口こみ」こそが大きな力を発揮する時代なのだと思います。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。