いけばなの作品って、器に生けてテーブルに置くだけではないんです。掛けたり吊ったり屋外で展示したり、そして皆さんの前で生けるデモンストレーションもあるのです。
こんばんは。内藤正風です。
今日は朝から本部いけばな教室でお稽古をしています。春のいけばな展のシーズン直前という事で、普段のお稽古だけではなく、いけばな展の作品作りのお稽古もあって中々に楽しい時間を過ごしています。
そんな中いまは、今週末に開催する「光風流加東支部創立40周年記念いけばな展」において行うデモンストレーションの下生けや準備やリハを行っています。
「いけばな」は、水盤に生けてテーブルに飾るだけではない
「いけばな」と聞くと、ほとんどの方が ”テーブルなどの上に水盤が置いてありそこにお花が挿してある” という姿を連想されます。それは間違いではないですが、実は「いけばな」というのは、それだけではないのをご存知でしょうか。
確かに「いけばな」は床の間という環境を背景にして発展してきた歴史があるので、この様に思われるのは当然の事だと思います。しかし今や「いけばな」は、花(植物)を使って何か形を作ったり表現したり装飾するような行為をすべて含めて日本では「いけばな」と分類してよいと私は思っています。
なので床の間やテーブルだけに限らず、壁に掛けたり天井から吊る事も出来ますし、廊下や部屋の隅もオッケーでしょう。自宅だけではなく会社、ホテルやレストラン、結婚式や葬儀の会場、ステージや舞台、屋外まで、おおよそ人間がいる場所の全てが、お花を飾る環境という事が出来ると思います。
「いけばな」は作品を見るだけが楽しみ方ではないのです
そして「いけばな」は、出来上がった作品を展示してご覧いただくだけではなく、その出来上がってゆく過程もご覧いただき楽しんでいただく事が出来るものだと思います。
それが一番最初に書いたデモンストレーションになるのです。
デモンストレーションと言っても色々な方法があります。デモンストレーションしながら今自分がしている作業についてや作品についてなどお話をしながらご覧いただく形や、音楽に合わせてデモンストレーションを行う方法、とにかく皆さんのご覧になられている前で作品を生けるという行為があれば、それはデモンストレーションという事が出来ると思います。
音楽とコラボしたデモンストレーション
ちなみに今回の「光風流加東支部創立40周年記念いけばな展」において行うデモンストレーションは、ピアノとビオラによる生演奏とのコラボで行いますので、単に作品を生ければよいというだけではありません。音楽にはスタートと終わりがありますので音楽の始まりと終わりに合せるのはモチロンの事、曲調によってもデモンストレーションの抑揚を考える必要があります。
今日のお稽古では作品の下生けから始まって、音楽とどうタイミングを合わせるかとか曲調にあわせてデモンストレーションの流れをどんな風に作り上げてゆくかなどかなり作りこみました。
24日(土)のデモンストレーション本番では、ご覧いただいている皆様に楽しんでいただけるようにするのは言うまでもないですが、デモンストレーションを行う3人の皆さん自身がデモンストレーションの時間を満喫できるようにしてもらいたいと思います。
さあー、やるでやるでやるでーーー!!!
ま、ご本人が楽しむために必要なことは簡単な事です!これ以上もうするべき事がないと言い切れるところまで完成度を高めておくこと。デモンストレーションの練習練習練習練習練習あるのみです。
さあ、それでは私はこれから、鬼監督になってまいります!!!
「うぉらぁぁぁ~~~~~!!!」(大笑)
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。