雨の日だからこそ、いけばなを楽しむ | いつもと違う花の表情を見つけてみませんか

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

雨が続くと、「今日も雨かぁ……」と思ってしまいがちです。出かけるのが億劫になったり、洗濯物が乾かなかったり、足元を気にしながら歩かなければならなかったり。晴れている日の方が「気持ちが良い」と思うのは、ありがちな事だと思います。
でも、そんな雨の日だからこそ、普段とは少し違った「いけばなをしている人ならではの楽しみ方」があるのではないかと私は思うので、今日はそんな事についてブログを書きたいと思います。

雨の日は、花の見え方がいつもと違います

雨の日に外へ出ると、晴れている日とは景色が少し違って見えます。葉っぱが濡れていたり、枝に雨粒がついていたり、花びらがいつもより重たそうにしていたり。
同じ植物でも、晴れた日に見るのと雨の日に見るのとでは、表情が全く違っています。

私は、こういうところを見つけるのも、いけばなの楽しみの一つだと思うのです。
いけばなというと、花を買ってきて、花器に生けることと思っている人が多いと思います。もちろん、それもいけばなです。でも、それだけではありません。
「今日はどんな花の表情を見る事が出来るだろう」と、そんなふうに植物を見る事も、いけばなではないでしょうか。

雨だからこそ「水」を意識してみる

雨の日には、いつも以上に「水」を意識してみるのも面白いと思います。
玄関の濡れた床。葉に残っている雨粒。枝を伝って落ちていく水。水たまりに映る景色。普段なら何気なく見過ごしているものでも、雨の日には「水」という存在が全てに関わってきます。
そしていけばなにおいても、花器に水を入れて花を生けるのですから、水は切っても切り離す事が出来ない存在です。
まあ考えてみれば当たり前のことなのですが、雨の日にはその「当たり前」が少し違って感じられる様になります。

例えば、花を生けるときに、いつもより花器の水面を意識してみる。水面がいつもよりも沢山見えるように花を生けてみる。あるいは、葉や枝を濡らして生かしてみる。
そうすると、いつものいけばなとは少し違った表情が生まれ、楽しみが広がります。

「雨だからできること」を探してみる

私は、人生でも仕事でも、何か思い通りにならないことがあったときに、「どうしてこうなんだろう」と考え続けるより、「では、この状況だから何ができるだろう」と考えることが大切だと思っています。

雨の日も同じです。雨の日を晴れに変えることは、私にはできません。でも、雨の日をどう過ごすかは、自分で選ぶことができます。
晴れの日と同じことをしようとすると、「雨だから嫌だな」と思うかもしれません。でも、「雨だからできることはないかな」と考えてみる。すると、今まで気が付かなかったものが見えてくることがあります。

ちなみにこれって、いけばな的思考だと思うのです。
思ったような花材が手に入らない。枝の形が思っていたものと違う。花が予定していたように咲いていない。そんなときに、「これはダメだ」と終わらせるのではなく、「この形をどう生かそうか」と考えてみる。
すると、そこから新しい表現が生まれるきっかけに出来るのです。

雨の日にこそ、花を見てみませんか

皆さんの地域で、もし今日も雨が降っているなら、ちょっと外を見てみてください。今日は降っていないならば、今度の雨の日に、庭の木でも、道端の草でもいいので見てみてください。
葉っぱに水滴がついていないか。枝が雨でどんな表情になっているか。花が晴れの日とは違って見えないか。そんなところを少し眺めてみる。
そしてその中から「これ、面白いな」と思うものを一つ見つけてみる。それだけでもいいと思います。

その上でもしお花を生ける機会があるなら、その「雨の日に見つけたもの」を、いけばなの中に取り入れてみる。
そうすれば、雨の日は単に「雨が降って嫌な日」ではなくなります。

いけばなは、花を生ける技術だけではありません。季節を感じたり、身の回りにあるものの美しさに気が付いたり、いつもと違うものの見方をしてみたり。そういうところにも、いけばなの楽しさはあるのです。

今度の雨の日には、いつもと違うところに目を向けてみてはいかがでしょうか。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。