いけばなを習うと、何が変わるのか? | 花だけではなく、自分自身が変わっていく
ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。
「いけばなを習うと、何が変わるのか?」これは、これからいけばなを習ってみようかなと思われている人からすると、気になるところではないでしょうか。
花が上手に生けられるようになる。季節の花や枝の名前を覚える。花器の扱い方が分かるようになる。もちろん、こういうことも「変わること」の一つです。
でも、私はいけばなを長く続けていると、もっと別のところが変わってくると思っています。それは、「花ではなく、自分自身のものの見方や考え方が変わってくる」ということです。
という事で、今日はそんなことについてブログを書きたいと思います。
「ものを見る目」が変わってくる
いけばなを始めると、当然の事ですが花を見るようになります。しかしここで言う「花を見る」というのは、ただ「きれいだな」と眺めるのとは、少し違う見方をするようになります。
この枝はどんな方向に伸びているのか。この花のどこが一番魅力的なのか。どこを残して、どこを整理したら、この花がもっと生きるのか。
同じ花でも、よく見てみると一つ一つ違います。そして、よく見なければ、その違いに気が付くことはできません。
こんな風にして、いけばなのお稽古を繰り返していると、いつの間にか「見る」という行為そのものが変わってきます。
私は、これはいけばなを習うことで得られる、とても大きなものだと思っています。
「全体を見る」ということも、身についてきます
いけばなでは、一輪の花だけを見ていても作品にはなりません。花と枝の関係。器との関係。置く場所との関係。そして、作品全体のバランス。
一つ一つがどれだけきれいでも、全体として見たときにバランスが取れていなければ、まとまりません。
そしてこれは、日常生活にもよく似ています。
仕事でも、人間関係でも、一つのことだけを見ていると判断を間違えることがあります。自分にとっては正しいと思っていることでも、全体を見ると別の答えが見えてくる。
だから、部分を見る目と、全体を見る目の両方が必要になる。
いけばなをしていると、そんなことを自然に考えるようになります。
「今あるものを生かす」という考え方
いけばなでは、いつも自分の思い通りの花材が手に入るわけではありません。
枝が曲がっていることもあります。思ったような形になっていないこともあります。そんなとき、「これはダメだから使えない」と考えるのではなく、「では、この形をどう生かそうか」と考える。私は、この考え方がとても大切だと思っています。
人生だって同じですよね。
いつも自分の望んだものが揃っているわけではありません。思っていたのと違うことも起こります。そんなときに、無いものを嘆き続けるよりも、今あるものをどう生かすかを考える。そうすると、そこから新しい可能性が見えてくることがあります。
いけばなは、そんな考え方をお稽古を通じて学ぶ事が出来るのです。
「正解を覚える」だけではなく、「考える」ようになる
いけばなを習うと、最初はもちろん型や技術を覚えます。でも、ずっと同じことだけを繰り返しているわけではありません。
花材が変われば、考えることも変わります。季節が変われば、表現も変わります。飾る場所が変われば、それに合わせる必要もあります。つまり、「今回はどうしたらいいだろう?」と、その都度考えることになります。
これは、人生でも仕事でも同じではないでしょうか。
昨日うまくいった方法が、今日もうまくいくとは限りません。相手が変われば、対応も変わる。状況が変われば、考え方も変える。
だからこそ、いけばなのお稽古では、状況に合わせて考える力も育っていくのだと思います。
少しずつ自分自身が変わっていく
この様にして考えてみると、いけばなを習うことで変わるのは、実は花を生ける技術だけではありません。
花を見る。よく見る。考える。全体を見る。今あるものを生かす。その時、その場所、その状況に合わせて考える。
こういうことを一つ一つ繰り返しているうちに、それが自分の中に少しずつ積み重なっていきます。
そして、いつの間にか、花を生けているときだけではなく、日常生活の中でも同じような見方をするようになってくる。
私は、そこにこそ「華道」の魅力や価値があると思っています。
いけばなは、花だけを学ぶものではありません
なので私は「いけばなを習うと、何が変わるんですか?」と聞かれたら、「花が上手になるだけじゃないですよ」とお答えします。
花を見る目が変わる。ものの見方が変わる。考え方が変わる。人との関わり方も変わる。そして、その積み重ねによって、自分自身が少しずつ変わっていく。これが、いけばなを習うことの価値なのです。
花を生けるということは、花を変えることだけではありません。
花と向き合いながら、自分自身とも向き合っている
そんな時間を積み重ねていくことが、いつか自分の人生にも何かを生み出してくれる。私は、いけばなにはそんな力があると思っています。
もし今、「いけばなを始めてみようかな」と思っている方がいらっしゃるなら、ぜひ一度、お花を生けてみてください。
花を生けたあとに、花ではなく、「自分の中で何が変わっただろう?」と考えてみる。
そこから、いけばなの本当の楽しみが始まるのです。
内藤正風PROFILE

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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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