あなたがいつもお花を買っているお店は大丈夫ですか? 花を買ってはいけない花屋さんの三つのポイント

こんにちは。
いけばなの光風流家元、内藤正風です。

今日は朝から兵庫県いけばな協会の役員会に出席してきました。まだ真夏の暑い盛りですが、10月に開催するいけばな展に向けた会議でした。

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昨日お稽古に来られている方から「お花屋さんってどこで買ったらよいかよくわからないんです」っていうご質問をいただきました。

たしかにお花屋さんって一言で言っても色んなお店がありますし、パッと見で判断ってなかなかできないですよね。
私もパッと見では、全く分かりません。(笑)

お花屋さんは10軒あれば全部違っています。
扱っている商品も得意な商品もお店によって違います。
お花屋さんは小売ですから、お店で売られているお花は花市場で仕入れを行ってきて店頭に並べているのですが、全てのお店が同じ状態でお花を販売しているわけではありません。

どこが良いお店かは、個人の好みや欲しい品物によって違ってきますので、一概には言えないですが、逆にこんなお店は避けた方が良いよーーって目安はご案内できます。

避けた方が良いお店 その1

まず第一に
仕入れてきたお花に「水揚げ」をしていないお店のお花は長持ちしません!

お花屋さんには、仕入れてきたお花に、「水揚げ」を施してから店頭に並べているお花屋さんと、仕入れたお花を何もせずにそのままバケツにつけて店頭に並べているお花屋さんとがあります。
たったそれだけの事って思われるかもしれませんが、たったそれだけでお花の品質や日持ちに大きな違いが出てきます。

皆さんよーーく考えてみてください。
お花って日本国中どころか世界中の産地から市場に届いています。
それぞれの産地で切り取って、束ねて、梱包してから市場に向けて発送されます。
陸路、空路で運搬されて、市場に到着したらセリにかけられて各お花屋さんの手に渡ります。
ということは、お花が産地で切り取られてからお花屋さんの手に渡るまで、早くて約2日、産地から市場までの距離が遠ければもう少し日数が掛かります。
この間、お花はお水を吸えない状態で運搬されています。
最近は足元に水の入ったホルダーをつけたり、保湿剤でくるんで運搬されているものもありますが、けして十分な水分が与えられているわけではないです。
その上、箱に梱包されてギュウギュウ詰め状態です。

もし人間が満員電車や満員のバスにすし詰め状態で、ろくに食べ物も与えられずに三日間移動したらどうなりますか。。。
死んぢゃわないまでも確実にヘロヘロになっちゃいますよね。
体調を崩す人続出でしょう。

こんな状態でお花は遠いところからお店に届いているのですから、お花を労わり元気にしてあげるように養生してあげる必要があります。
この養生が「水揚げ」という技術になります。

この「水揚げ」を施しているかいないかで、その後のお花の元気さ、人間でいえば健康さ加減が違ってくるのですから、お花の日持ちに大きく影響してくるのは言うまでもない事です。

避けた方が良いお店 その2

そして第二に、
お店にあるお花の冷蔵庫の中に長く置かれていたお花は、皆さんが買いもとめて帰られてからお家で長持ちしないです!

お花屋さんはお花を入れる冷蔵庫を備えています。
温度を下げた環境にお花を置く事で、花が早く咲いたり傷んだりすることが無いようにしています。
けれど実はこの冷蔵庫が曲者なんです。

どういう事かと言うと、例えば一週間は綺麗な状態で咲くお花があるとします。
このお花をお店が仕入れてから、冷蔵庫で一週間展示していたとします。
一週間くらいたっていても、お花は冷蔵庫に入っていますから今日仕入れてきたかのように綺麗な状態です。
このお花をそんな事を知らずに買って帰られたら、お家で一週間は絶対に日持ちしません。
まあ3~4日くらい日持ちすればいい方だと思います。

お店でパッと見が綺麗な状態だからと言って、必ずしも新しいお花とは限らないのです。

避けた方が良いお店 その3 & ココを見ればパッと判断できるポイント

第三に、
手入れされた綺麗なバケツやハサミを使っていないお花屋さんのお花は長持ちしません!!!

お花は根元から水を吸って生きています。
と言う事は、綺麗なお水を吸う事が長持ちするためには必要不可欠なのです。

汚れたお水はバクテリアの巣窟です。
汚れたハサミもバクテリアの巣窟です。
一見綺麗に見えるお水も、汚れたバケツに汲まれたら、バケツの汚れからバクテリアがすぐに充満しちゃいます。
汚れたハサミで足元を切ったら、切り口にダイレクトにバクテリアを塗ったようになっています。

お店で展示されている間に、バクテリアを茎の中や葉っぱや花に充満させちゃっているのですから、買って帰ってきてからそのお花が長持ちするのは無理だというのはお判りいただけると思います。

信頼できるお店=見た目が良いという事ではありません

お花屋さんので店頭に並んでいるからと言って新しいお花だとは限りません。
お花の見た目がきれいだからと言って健康で新しいお花とも限りません。
お店がお洒落なつくりだから良いお店だとも限りません。
イケメンの店員さんがいるから良いお店とも限りません(笑)
先に書いた三つのポイントをしっかりとされているお店がある反面、全くそんな事をしていない残念なお店があるのも事実です。

良いお店をしっかりと選んでくださいね。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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