「みんなが言っている」なんて、そもそも嘘なんです。そしてそんな声高に言われる意見は耳に入りやすいだけで、往々にして多数意見ではないのです

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

少し前に開催した会議の席で、「みんなが言っているのをご存じないのですか」というご意見があったので、「みんなというのは誰誰ですか?」とお聞きしたら、誰の名前も挙がって来ず、まあそんなもんだよなぁと思う機会がありました。

声高に言われる意見は、耳に入りやすいだけで多数意見ではない

以前にニュースを見ていると、公園的な要素のある施設において動物を同伴しての入場がOKになっているそうなんですが、そこに「犬の嫌いな人間にはその施設に来るなって事なのか?」っていう苦情と言うか質問があったそうです。

その施設としては、公園的な要素のある施設なので多くの人に楽しんでもらう事が出来ればと思いその様にされているそうなんです。そして他の方の迷惑にならない様にこの施設の入り口では、リードを使うようにと言う様な事をはじめとして、他の方の迷惑にならないようにしてもらうための案内と言うか周知はされているそうなんです。

たしかにペットを飼われている方からすると「家族同然なんだから一緒に行きたい」って思われる方もおられるでしょうし、動物の嫌いな方は「私には来るなって事なの?」って感じられる方もあるかもしれません。
きっとこれって、どっちが正しいとか間違っているとかじゃない事ですよね。どちらもが正しい。
ただ世間では、大きな声でモノを言った人の意見の方が目立つというのも事実だと思います。
だってさっきの事例だと、「ワンちゃん同伴したらいいやん」って賛成している人は殊更に声はあげないですから目立つ事はないですよね。

なのでここで間違えてはいけないのは、声高に言われる意見は、耳に入りやすいだけで多数意見ではない事が多いという事なのです。

「みんなが言っている」って、本当にすべての人が言っているのか?

最初に書きましたが、「みんなが言っている」って言葉はよく耳にしますが、その ”みんな” って、誰でしょう。
そんな風に言われている人に「ちなみにどなたが言われているのですか?」って聞いてみたら、まあ5人も名前が挙がったらよい方でしょう。仮に10人名前が挙がったとして、それは ”みんな” ではないですよね。

それにその状態では、その意見を言われている人が10人あるってだけで、何も言われていない人や他の意見をお持ちの方の人数との比較がなされていないのですから、そんな状態の意見には何の重みも信ぴょう性も無いってことがお分かりいただけると思うのです。

つまり ”みんな” と言いながら、自分の意見の正当性の裏付けにしようとしているだけなのです。

人は責任を持って意見は言っていない

一つハッキリと言う事が出来るのは、大半の人は意見を言う時に責任なんて全く持たずに言っています。思いついた事や、自分の好みで言っているだけで、その言葉に責任なんてまるっきり持っていません。
また仮に、「自分の出した意見の通りにして想定した結果が得られなかったら、全責任は自分が負う」なんて思っていても、その責任を全部とれる人なんてほとんどいないのが現実なのですから。

「みんなが言っている」なんて意見ほど危ないものはない

と、ここまで書くと曲解する人が出てくるんですよね。じゃあ自分の思い通りにしたらいいんだと。それは大きな間違いだと私は思います。

だって、人間は自分の見ている世界や経験なんて、極めて狭いものです。だって人1人が生まれてから生きてきた中で経験できている事なんて、この世で起こっているすべての事柄からすると極めて小さなものなのですから。
たとえばエベレストに上った事のない人は、どんな準備をしたらよいか、何に気をつけないといけないかなんて、絶対に分かりません。あるいは年齢が若い時には、年配の人がお菓子の袋を開けにくかったりしているのが分かりません。
そんな乏しい体験や学び ”だけ” を元にして、様々な事を思案するなんて、そんな危険な事はないと思うからです。

したがって、色んな人の意見を聞いて自分の視野の足りないところを補い、その上でどうするべきかを考え、決断してゆく事が大切だと思うのです。
ただしここで忘れてならないのは、人の意見に耳を傾けるという事であって、人の意見に流されるという事ではありません。声高に言われている意見も、殊更に声に出されていない意見も、全てに耳を傾けるという事です。

「みんなが言っている」なんて意見ほど、危ないものはないのです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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