いけばなのお稽古における「繰返す事で身につける事の大切さ」は、そのままビジネスにも役立つ事だなと思います

こんにちは。内藤正風です。

昨日はミュージカルを見に行ってきたのですが、笑った〜!そして泣いた〜!!一流が創り上げるエンターテイメントの凄さや世界観のレベルを体感してきました。

そんな刺激を身体にいっぱい含んだ今日は、朝から光風流本部いけばな教室でお稽古を行ないながら、その空いた時間にちょこちょことブログを書いています。
そんな今日のブログでは「繰返す事で身につける事の大切さ」と言うことについて書きたいと思います。

いけばなでは何故繰返しお稽古をするのか

”いけばな” では色々なお稽古を繰り返し行います。一度だけお稽古してもう二度としないってお稽古は全くありません。二度三度。。。だけではなく何十回、何百回と繰返しお稽古をするモノもあります。
これは「型」を身につけると言うことも要素としてはありますが、それ以上に大切なのは身体に覚え込ませると言うことなのです。

ちなみに「身体に覚え込ませる」とどうなるかというと、必要な場面で意識せずに自分の中にある引き出しが開いて取り出す事が出来ると共に、その場面その場面で自由に変化応用して活かす事が出来るようになるのです。

頭で覚えるというのは、百科辞典をカバンに入れているようなもの

知識であろうと技術であろうと ”頭で覚えた事柄” というのは、例えるならば百科事典をカバンに入れて持っているみたいなものなのです。
なので「いま必要だ!」ってなった時に、どこに何が書いてあるかを探してもう一度読み返さなければ思い出すことができませんし、その上書いてある通りにしか生かす事が出来ません。そんな状態では一分一秒を争う場面でとっさに生かすって事はまず不可能です。

身につけたものは、必要な場面になると自然に出てきます

しかし繰返しお稽古をして身につけたものは、頭ではなく身体で覚えていますから、必要な場面になったら自分の中にある引き出しが自然に開いて、必要な知識や技術が自然に溢れ出てくるようになります。
そのうえにこの時に出てきたものは「型」や「基本」というものに縛られずに自分なりに変化応用した形で出てきますので、その人ならではの特徴あるものになって出て来てくれます。

自転車に子供の頃に乗っていた人は、何年間か乗っていなくて久しぶりに乗っても自転車に乗る事が出来ますよね。これがすなわち身体で覚えているって事です。久しぶりに乗るときに「え~っと。。」って乗り方を思い出そうとしたりはしませんよね。
その上、その人が乗っている姿はその人なりの乗り方になっていますよね。

”繰返す”とは”消化する”と言うこと

ようするに、自分の中に一度しっかりと入れて消化したものでなければ役には立たないという事であり、この消化をするためには何度も繰り返す必要があるということなのです。

自分の中に入れて消化され、血肉なってこそ初めて役立つし価値あるものになるのです。だからこそ一度消化したものは時間が経っても忘れることは無いし、必要な時には自然に自分の中の引き出しが開いて出てくるのです。

「頭で覚える」と言うことと「身につける」という事の違い、ご理解いただけましたでしょうか。
きっとこれって ”いけばな” だけの事ではなく、”ビジネス” や全ての世界でも同じことが言えるのではないでしょうか。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。