流祖の誕生日に思う「正しく伝承する」事の難しさと「光風流家元選定ハサミ」を新しくしたことについて

おはようございます、内藤正風です。

今日は朝から夜まで予定満載な1日で、スケジュールが偉い事になっています。

スケジュール全ては表示できていませんし詳細も伏せますが、今日はこんな感じです。(笑)

ま、流展の前なので仕方ないと言えば仕方ないのですが、スケジュールに挙げているのは仕事としての事だけで、ここにまだBlogを書くというような個人的な用事が入りますので、今日もあっという間の1日になりそうです。

流祖の誕生日に思う「伝承」という事

明日、12月1日は、流祖内藤光風の誕生日です。
流祖が亡くなった4月19日は、毎年「光風忌」を開催して光風流にご尽力くださった物故指導者をお祀りしていますので、光風流の中でもご存じの方は多いかと思いますが、誕生日はご存じの方が少ないレアな情報ではないかと思います。

光風流はその名前の通り、流祖内藤光風の教えを受け継ぎ、後世に伝えてゆくものです。
これは誰か1人で出来る事ではなく、何人もの先生方と共に取り組まなければ永続性を維持することは難しくなります。そして先生から自分が教えを受け、その学びを自分のお弟子さんに伝えてゆくことも伝承には不可欠なことになります。
そんな中で必ず起こってくる課題として、伝承を繰り返してゆく事による劣化や間違いという事があります。

伝承による劣化とは、1枚の原稿をコピーし、そのコピーしたものを原稿にしてまたコピーをし、そのコピーしたものを原稿にしてまたまたコピーをするという事を繰り返してゆくと、そのうちハッキリと出なくなってしまいます。このようにコピーを繰り返すことによる劣化と同じことが伝承においても起こります。
伝承による間違いとは、伝言ゲームと同じです。人から人に伝わってゆく中で、聞き間違いや思い込みというものによって変わって行ってしまうという事が起こるのですが、これも伝承の中でも起こってしまいます。

今年「光風流家元選定鋏」を新しくしたのも、正しく伝承する為の取り組みの中の1つになります。

光風流家元選定ハサミを新しくしました

光風流で学ばれている皆様には、ハサミも使いやすいものを手にしていただく事が出来るように、流祖内藤光風が切れ味を左右する鋼(はがね)の質や手に馴染みやすく使いやすい形になるように刃物職人に指示を行ない作り上げた品をご案内させていただいてきました。
しかし近年、ハサミ職人の質の低下により、流祖が指定していたものと少しずつハサミが変わってきてしまっており、どうしたものかと思っていました。

その様な中、このままでは流祖がこだわって作ったハサミが失われてしまいかねないので、この度違う職人さんに依頼をして、本来の光風流家元選定ハサミを作っていただく事が出来るようになりました。
なので鋏を新しくしたと書きましたが、正確には「元々定められていたハサミをちゃんと制作できるようにしました」という事です。

この機会に箱も一新しました

このハサミについては、新しい職人さんにお願いして何十回と試作を繰り返す中で元々ある光風流家元選定ハサミを再現することが出来ました。
なので折角ですので、この機会に外箱も新しいものに変えさせていただきました。

これまでとはデザインも素材も全く違うものになっており、蓋をする形態ではなく横に引き出すタイプの箱にしています。
加えて、ハサミは1枚ずつデザインの違う播州織に包んでお渡しさせて頂くようにしています。

あっ、持ち主のお名前ももちろん入れさせていただくようになっていますので、貴方だけのオンリーワンのハサミになります。

完全受注生産になります

このハサミは完全受注生産になりますので、ご注文をいただきましてから1か月程度お時間をいただくようになります。

他では売っていない品を特に職人さんにお願いして、ご注文のあった一丁一丁を手作業で心を込めて作り上げてくださいますので、少々お時間が必要ですがご理解を戴ければ幸いです。

ハサミ砥ぎやハサミの調整なども引き受けてくださるので、安心して一生お使いいただく事が出来る一品になります。
ちなみにハサミのお代は一丁9,900円(税込)となります。

これからご注文頂きましたらこちらのハサミとなりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。