世阿弥の「花は観手に咲く」という言葉の様に、お越しくださった皆さんそれぞれに色んな気づきや学びを得て頂ける機会、それが「光風流夏季セミナー」です

こんにちは、内藤正風です。

今日は朝から、光風流本部いけばな教室の駐車場や建物周りに除草剤の散布を行ないました。

いやぁ、暑かった~!。
昨日1日雨が降らず今日も何とかもちそうだったので、暑さに負けずにやっちゃいました。
でもこれでしばらくは一安心です。

「華道」とはすなわち、生きる術を学ぶという事です

毎年「夏季セミナー」は、普段のお稽古や講習会などとは違う視点や切り口で、開催をしています。
それは一口で言うならば「華道としての視点」でモノを見て考えるという事です。

では「華道」とはいったい何でしょう。
お花を生ける技術や知識の事でしょうか。あるいは古来から伝わる伝統とか決まりを学んだり守という事でしょうか。。。そんな風に思われた方が居られましたらそれはマルッきり的外れな答えだと言わざるを得ません。

「華道」という文字には「道」という文字が使われていますよね。
日本にはこの「道」という文字が付くものが昔からあります。たとえば「茶道」、「書道」、「香道」、などがあります。
あっ!剣道とか柔道は、「道」をつけて呼ばれるようになったのは最近になってからなので、ここでは省いています。なぜなら元々は身を守る術(すべ)としてあるいは戦場において人を殺す術(すべ)として、もとは「剣 ”術”」や「柔 ”術”」と呼ばれていたものになりますので。。。

話を元に戻して、この「道」が付いているものは、それぞれの分野を通じて ”人として踏み行なうべき事を学ぶ” という事がその本意であるとされています。
なので「華道」とは、花を生けるという行為を通じて「人のあるべき姿を学び」 、「生きてゆく力を身につける」、すなわち、「生きるすべを学ぶ」という事なのです。

生きる術とは総合力

人のあるべき姿を学び、生きてゆく力を身につける。。。というと凄く堅苦しい事や難しい事のように思われるかもしれませんが、実はそんなことは全くありません。

たとえば、朝知っている人と出会ったら「おはようございます」って挨拶をしましょうってことや、誰かにモノをいただいたりお世話になったら「ありがとうございます」って言いましょうってことであったり、「嘘をついてはだめだよ」ってなことなんです。

ようするに、人が生きていくにあたって大切な事を、知っているだけではなく実践できる人になりましょうってことや、物事の本質に逆らわないようにして幸せに生きていけるようにしましょうってことなのです。

物事の本質って決まっているんです。すなわち「真理」と言われるものです。
これは人間の力では何ともなりません。冬は寒いし夏は暑い、水は高いところから低いところに流れる、刃物で刺せば痛いし傷つければ血が出るってことです。
そんなの決まりきっているし分かっているよって思いがちですが、人間ってついついそういうことを忘れて自分の都合の良いように物事は進むって考えてしまいがちなんです。
なのでそういうことを戒め、気づかせてくれるのが、「生きる術」ってことなのです。

花は観手に咲く

今回の夏季セミナーでも色んなお話をさせて頂きますが、同じお話をさせて頂いても、受講されている皆さんお1人お1人によって記憶に残ったり意識するポイントって全然変わってきます。
これはその方のお稽古の進み具合による理解度、あるいは歩んできた人生の違い、今置かれている環境や身近に起こっている問題点など、全ての方が違う状況や環境の中にありますので、当然の事なんですよね。

なのでもっと言うと、同じ話を聞いていてもその人の今いる状態によって、意識に残ってくるポイントって変わってくるってことですし、これこそが世阿弥(ぜあみ)が残している言葉の1つ、「花は観手に咲く」ってことなんですよね。

夏季セミナーではお越しになられている皆さんに目一杯色んなお話をさせていただいますので、お楽しみになさってくださいね。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。