世の中では「正しい」か「間違っているか」で色んなことが判断されたり論じられることが多いですが、実は正解がひとつとは限りません

こんにちは、内藤正風です。

今日は午前中、眼鏡屋さんを経営されている友達のところに行ってウダウダいろんな話をしてきたのですが、”ほ~!”とか”なるほど~!!”とかって思うようなことが沢山あり、色んな刺激を受けてきました。

いけばなの作品作りに正解はない

よく世の中では「正しい」か「間違っているか」で色んなことが判断されたり論じられることが多いですが、それって無理がある場合が多い様に私は感じています。
何故そんなことを思うかというと、私がしているいけばなの作品作りには正解とか間違いはほとんどなく(中にはありますよ。例えばお葬式なのにお祝いのお花を生けるとかね。)、「最適解」が存在しているだけなんです。

たとえばひとつの材料をどのように生かすかを考えるときには、枝ぶりに合わせて考えたり、生ける空間に合わせて考えたり、使う器に合わせて考えたり、取り合わせる材料に合わせて考えたりしますので、絶対的な正解は存在していません。
そのうえ作品作りにおいては、1+1=2とか2+2=4のようにならずに、1+1=5になる場合もあれば、逆に1+1=-3になってしまう場合もあるのです。

日常生活やお仕事においても正解はその都度変わってゆく

”いけばな”をしているから余計にそう思うのかもしれませんが、日常生活も同じことが言えると思うのです。

たとえば髪型ですが、いま世の皆さんがされている髪型が正解かというと決してそんなことはないですよね。日本を例に挙げれば、今から約200年ほど前に遡れば日本髪や髷を結うのが一般的だったのですから。
あるいは車は左側通行が日本ではルールですが、外国に行けば右側通行の国もあります。
同じ国であっても時代が変われば正解も変わりますし、国や地域が変われば同じときであっても正解が変わってきてしまいます。

その様にして考えると、正解って何なのか、普通って何なのかって疑問に行き当たります。

普通や正解ってそもそも何なのか

日常生活の中で「普通」とか「正解」という言葉が用いられる場面って、結局は自らの後ろ盾にするために用いている場合が多い様に思います。

たとえば「普通はそんなことしないよ」とか「まあまあ普通でした」とか、「普通に美味しい」とか「普通にしなさい」、「普通の生活が出来れば良いです」もうすべてが、普通を用いることによって自分が発している言葉や行動の後ろ盾にしていますよね。
そこで用いられている「普通」ってなんやねんって話です。そして普通が ”広く一般的に” という意味ならば、じゃあその広く一般的には誰々やねんって言いたくなります。(笑)

そのようにして考えると、結局、「普通」とか「正解」っていうものは絶対的なものではなく、一過性であったり局地的なものであり、自分の言葉や考えを補強するために用いられているのにすぎないという事が分かります。

絶対的な「普通」も、絶対的な「正解」も存在しない

結局は ”いけばなの作品作り” も ”日常生活” も ”お仕事” にも、絶対的な正解や普通はなく、そこに存在しているのは「最適解」であるという事なのだと思います。
その時代に合わせた最適解、その場所に合わせた最適解、与えられた環境や素材に合わせた最適解という事です。

但しここで1つ注意しないといけないのは、最適解=正解や間違いではないし、最適解=多数意見でも少数意見でもないという事です。
すなわち最適解には正解も間違いも存在していないし、最適解が多数意見の場合もあるし少数意見の場合もあるのです。

なので去年こうしていたからとか、あの時に、あの場所で、あの素材でこうしていたから。。。という考え方や、みんなが言っているとかみんながしている。。。という思考からは、今まさに求められている回答は無いという事なんだなぁと思います。

今日はそんなことを改めて考える機会になりました。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。