簡単な、花鋏の選び方と日頃の手入れの方法について
こんばんは。
いけばなの光風流家元 内藤正風です。
先日、花鋏を新たに購入された生徒さんが居られますので、今日は花鋏の手入れについて書きたいと思います。
お花を生けてみようかなぁ~って思う様になられた最初の頃には、買ってくるお花は、茎がそんなに太い物とか固い様なものを買われる方は少ないので、身近にあるキッチンばさみのようなシッカリしたもので十分代用がききます。
しかし少しお花お生けたり飾ったりする事に慣れてくると、色んな種類のお花を使いたくなってきて、そんなお花の中には茎が太いものや固いものも含まれてきます。
そうなってくるとキッチンばさみのようなシッカリした鋏でも、切るのに苦労したりキレなかったりしてきます。
こういう段階になっている方は、お花用のハサミを手に入れて頂く機会になっているって事です。
で、先日、こういう段階になられている生徒さんが花鋏を購入されました。
花鋏を買う時の選び方
花鋏ってピンからキリまであります。
何百円で売られているものから、一万円を超えるようなものまであります。
あまり安い花鋏は、ハッキリ言って使い捨てだと思ってください。
千円以下のものは使い捨てレベルのものが多いです。
値段が高いものは、歯に使われている鋼(はがね)が良いものが使われているので高いのです。
鋼が良いと何が違うかと言うと、切れ味が良いと言う事です。
固いものや太いものもスパっと切れるって事です。
ただここで注意が必要なのは、いくらでも高いものが良いって事ではないということです。
例えば二万円の鋏があったとしましょう。
この鋏は装飾的な細工が施されていたり、必要以上な素材が使われていたりするだけのもので、切れ味には変化はありません。
ハッキリ言って私はこんな鋏は買いません(笑)(笑)
まあ絶対ではないですが、一万円くらいまでの物であれば切れ味が良くて一生使えるハサミを手に入れて頂けると思います。
そして先に書いたように、それなりに値段がしている鋏はちゃんとした鋼が使われていますので、鋏の切れ味とかが悪くなったら砥いで長く使う事が出来る品物です。
ここまで読んだけれども「どんな鋏を選んだらいいか解らないーー」って方は私に相談してください。(笑)
鋏の日常の手入れ
花鋏って、手入れとかどうしたら良いのかわからないですよね。
日常の手入れは「使ったら片づける前に拭く」これで十分です。
植物は水分やヤニやアクを含んでいます。
なのでお花を生け終わられたら片づける前に乾いたタオルなどで拭いてください。
これだけで十分です。
鋏にヤニがついたり特に汚れた時には、刃物の汚れ落としで綺麗にして下さい
これからの季節、松のようにヤニが沢山出る種類のお花を使う機会も増えます。
お花を生けて、鋏の刃が黒く汚れていたりヤニがついていたりする場合には、刃物の汚れ落としを使ってください。
刃物の汚れ落としはホームセンターなどに行っていただければ売られています。
スプレー式で鋏にスプレーしてからしばらく置いておくと、汚れが浮き上がってくるので、布などで拭き取ると綺麗になるって品物です。
これが私は一番手軽で便利で効果的なので、いつも使っています。
ここで一つだけ注意していただきたい点があります。
金属たわしなどは使ってはダメですよ。
汚れは落ちるでしょうが、それと一緒にハサミの刃に傷が入ってしまい、錆びやすくなります。
ってか、ソク錆びちゃいます!!
絶対に金属たわしとか金属ブラシとかは使っちゃダメですよーー
鋏を砥ぎに出すタイミング
鋏は長年使っていると、切れ味が悪くなってきます。
そうなると砥ぎに出す必要があるのですが、ほとんどの方が砥ぎに出すタイミングがよく判らないって仰います。
そうですよね。
一気に切れなくなったら判りますが、使っている間に徐々に徐々に切れ味は落ちてゆくのですから、切れなくなってきているのに気付きにくいですよね。
そんな時に鋏を砥ぎに出すタイミングの判断の一つの目安として、ハサミの刃が黒く汚くなっていたら砥ぎに出す時期って思って頂いたら良いと思います。
使った後に鋏を拭いてから片づけていて、ヤニや汚れが気になったら刃物の汚れ落としで手入れをしているのに、ハサミの刃が徐々に汚れてきて黒くなっているっていうことは、それなりに使っているって事ですよね。
って事は、鋏の切れ味も落ちてきている可能性が高いって事です。
ある程度慣れてきたら、葉っぱものや紙を切って切れ味を判断することも出来るのですが、最初はそれも解りづらいので、ハサミの刃が黒く汚くなったら砥ぎに出してください。
それが一番判断がしやすい方法です。
仮にあまり使っていない鋏であっても、鋏の刃が汚れで黒くなっているっていうことは、汚れがついている事による切れ味の低下や、汚れに付いている雑菌のせいでお花の日持ちが悪くなってしまうって事も関係してきますので、研ぎに出す時期と言えます。
このあたりを頭においていただければ参考にして頂けるのではないでしょうか。
ちなみに私はほぼ毎日花鋏を使いますので、一年に一度必ず砥ぎに出しています。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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