いけばなも、人生も、お仕事も、失敗しながら学んでゆくものであり、沢山の失敗を積み重ねてきている人ほど魅力的なのです

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

今日も寒いですね。寒波の襲来で、沢山着込んでいても屋外で風にあたるとその寒さが骨身にしみます。

とはいえ明日からは気温も上がるとの予報なので、私はありがたいなぁと思っていますが、スキー場などは死活問題にもつながるので、全ての人が幸せになれるようにするって難しいことだなぁと改めて感じています。

いけばなは失敗しながら学んでゆくもの

私は、いけばなは失敗して学んでゆくものだと思っています。
一例をあげると、いけばなには ”矯める(ためる)”という技術があります。「矯める」とは正しく治すという意味の言葉で、形の悪い枝(葉、茎)を矯めて修正したり、枝(葉、茎)を矯めて希望の形を作りあげたりと、あらゆる場面でこの ”矯める” という技術が必要になります。

そんな矯めるという技術ですが、ある程度の慣れが必要です。お稽古を初めてまだ間が無く慣れていない人にとっては、最初は力加減が解らなくて枝を折ってしまったりします。つまり力が強すぎると枝が折れちゃうし、逆に力が弱すぎると癖がつかずに矯める事が出来ないのです。
意識を集中して枝の声を手の中で聴きながら矯めてゆくのですが、この力加減と言うのは数値に表したりする事が出来るものではなく、経験によって身に付けてゆく必要があります。すなわち失敗をして覚えてゆくものだという事なのです。

いけばなも、人生も、お仕事も、失敗しながら学んでゆく

「失敗しながら学んでゆく」というのは、私達の日常も同じだと思います。生まれてすぐから人生の達人なんていません。仕事を始めてすぐからその仕事の達人なんて人もいません。みんなコケたり頭を打ったりしながら経験を積みノウハウを身に着けてゆくのです。

失敗をしない様にって萎縮してしまっている人や、失敗するような事を避けている人がいますが、これって実は大きな間違いだと思うのです。とくに若い間は色んなことに挑戦して、どんどん失敗をするべきだと私は思っています。
失敗をしたら、何がいけなかったのかを考え、改善すべき点の仮説を立て、その検証を行う。これをとにかく繰り返し続けてゆけばいいんです。だって失敗こそが人を大きく育ててくれるとともに魅力的にしてくれるのですから。

失敗体験が、大きな学びや人としての成長を促してくれる

私は、1つの成功体験より得る事が出来るものよりも、1つの失敗から学び得る事が出来るもののほうが何倍も大きいと思っています。だからこそ私は、光風流は失敗を恐れないとともに失敗を許す組織でありたいと思っています。
どんどんチャレンジをする。その中でドンドン失敗をする。そして様々な学びを得る事が出来る場であり機会でありたいと思います。

そして自らが失敗体験を沢山しているからこそ人の失敗を許すことが出来るようになるし、失敗したときに色んな人に助けられてきているからこそ、失敗した人をサポートしてあげようと思う事が出来るようになるのだとも私は思っています。

とはいえ同じ失敗を無意味に繰り返すのは、ただの無能でしかないので、そうならないようにしないといけないですけれどね。

成功体験ばかり語る人に魅力は無い

ちなみに人の成功話って本当に面白くないですよね。ってか、成功の話ばかり聞かされているとそのうちに「自慢か~!」って腹立ってきますよね。
けれど失敗した話って聞いてムッチャ面白いですし、いくら聞いていても飽きないですよね。そしてその上、自分の失敗話を笑い話に出来たり普通に話す事が出来る人って、その人自体がとても魅力的に見えてくるんですよね。不思議な事に。

光風流の皆さん、もっともっとチャレンジしましょうね。失敗から多くの事を学びましょう。そして人の失敗を許しリカバリーやサポートできるようになりましょうね。
もちろん私は皆さんをサポートするためにいるのです。どんどん仕出かしてください。
そしてもう一つ付け加えるならば、失敗に近い所にあるような事柄にこそ、面白いものが有るんです。安全な道に魅力的なものは生まれないですよ。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。