”八百万” と ”新しモン好き” が土台にあるからこそ、先人からの ”伝言” と ”労わり” と ”愛”が日本の「しきたり」という形になって今に伝えられているのです
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こんにちは、内藤正風です。
今日は光風リゾートで、原稿を書いたり音声メディアを聞いたり、そしてこのBlogも書いています。
陽の光、風、聞こえてくる音、全てが気持ちいいです。
「しきたり」は堅苦しいものではなく、大切なことを伝えてゆくためのものです
「しきたり」と聞くと、”堅苦しい” とか ”古臭い” と感じる人が多いと思います。
そして「しきたり」という言葉からまず連想されるのは、”決まり” とか ”こうしなければならない” とか、そんなイメージが頭に浮かぶのではないでしょうか。
しかし実は「しきたり」と呼ばれるものは、人を締め付けるものでは無いのです。
では「しきたり」とは何かというと、家族や身近な人、地域の仲間や友達に対する ”労わり” や ”愛” が、日本の歴史の中で磨かれて形になり、そしてそういう人として大切な事を伝えて行くためのものであると私は思います。
八百万(やおよろず)こそ日本独特の価値観
日本は神武天皇が即位された時から国の歴史が始まっていますので、今年で2681年の歴史が有ります。
そんな日本人の一番の特徴的な考え方としては、全てのものに畏敬の念を持ち、共存共栄を計ると言う考え方だと思います。
それが一番わかりやすいのは宗教です。
日本における宗教の一番最初は、全てのものに精霊が宿ると言う八百万(やおよろず)の考え方がもとになっている「神道」です。
縄文時代から古墳時代のころに成立したといわれる神道の考え方で国造りが行われ、日本の全ての考え方の土台となっています。
その後飛鳥時代に仏教が伝来し、普通は国に新たな宗教が入ってくると宗教戦争が起こり、どちらかが残りどちらかが消えてゆくというのが世界の歴史を見ると常なのですが、日本は神道も仏教もその他の宗教も共存しています。
これは神道が八百万の考え方であるとともに、人と神は一体のものであるという考え方だからこそだと思います。
日本人はそもそも、新しモン好き
そしてもう1つ日本の特徴として挙げられるのは、新しモン好きというところです。
すなわち新しいものの良いところを取り入れて、自分のものにしてしまうと言うことです。
一例を挙げるならば、日本の自動車は世界に誇るものです。
しかしそもそも自動車は外国で発明され、日本に入ってきたものですよね。
最初は外国の自動車の真似をしながら学び、その学びを基にして日本人の感覚で独自の発展をさせてゆき、現在の隆盛が有ります。
八百万と新しモン好きが土台としてあるからこそ、日本の特徴が生まれたのです
先にとりあげた「八百万」と「新しモン好き」という2つの共存は、一見すると全く関係のない別物のように思われるかもしれませんが、私は日本だからこそ成しえたものだと思っています。
その本質は先に書いた、全てのものに畏敬の念を持ち、共存共栄を計るという日本人独特の考え方が有るからこそだと思います。
「しきたり」の根底には ”労わり” と ”愛” がある
全てのものに尊敬の念を持つことが出来るからこそ、全てのものを受け入れる事が出来るのでしょうし、共存共栄の考え方が根底にあるからこそ、受け入れたものを自分なりに消化し自らの血肉としてから、自分と言うフイルターを通して新しいものやステップアップしたものとして飛躍発展させることが出来るのだと思います。
相手に尊敬を払い共存共栄の考え方をその中心に置いているからこそ、家族や身近な人、地域の仲間や友達に、恥をかかせたり嫌な思いをさせない様にしようという考えに結びつくのですし、そこから生まれてきたものが「しきたり」というものになって今に伝わってきているのです。
日本と言う四季のある国、そして節目を大切にする日本人が伝えてきた「しきたり」。
「しきたり」と言う”形”や”決まり”という目前にある事柄ばかりに意識を奪われるのではなく、その「しきたり」に込められた本質はどこにあるのか?何を言いたいのか?という事に目を向けるだけで、感じるものが全く違ってくるのではないでしょうか。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。