「日本昔話 一寸法師」を”いけばな”で表現した、光風流カレンダーの作品をご紹介します

こんにちは、内藤正風です。

今日から緊急事態宣言が延長になった6月が始まりました。
わたくし的には緊急事態宣言が延長されたからどうこうというよりも、粛々と毎日を過ごしてゆくという感覚のほうが強いので、「えらいこっちゃ。。えらいこっちゃ。。。」って感じではありませんが、しかしなんとはなしに心が晴れないような感じではあります。

私は光風流で学ばれている皆さんに、「いけばなを通じた色々な体験」を提供したいのです

このカレンダーは、皆さんにお家にいていただきながら ”いけばな” を楽しんでいただくことが出来ますが、実はそれだけの為に発行しているのではありません。

私は、いけばなは単にお花を生けて飾ることだけではなく、いけばなを通じて色々な体験をしていただくことこそが大切だと思っています。
なので光風流では、学ばれている皆さんに日常生活の中では体験する機会のないことをどんどん提供させていただいているのですが、その中の1つとして「カレンダーに自分の作品を掲載して頂く」という事も行っています。

一般的にいけばなの流派から発行されているカレンダーは、その流派の家元や一握りの幹部の人が作品を掲載したものになっています。
しかし私は、この体験こそ沢山の人に楽しんでいただきたいと思ったのです。

写真スタジオでいけばな作品の写真撮影を行う体験。
自分の作品が掲載されたカレンダーを手にする喜び。
自分の作品が掲載されたカレンダーをお友達やお知り合いにも飾っていただく喜び。
自分の作品が掲載されている月が来る待ち遠しさ。
自分の作品が掲載されたカレンダーの1年が過ぎて、カレンダーを捨てることが出来ずに大切にとっておく体験。
などなど。

なので光風流ではカレンダーの作品を担当して頂くのは、幹部の方と中堅の方、そして若手の方に幅広く行なっていただいています。
とはいえ1年には12か月しかありませんので、この体験をしていただくことが出来るのはたった12名の限られた人だというのは間違いのないことなのです。

だからこそ1人でも多くの方にこの体験をしていただきたいと思いますし、この喜びを感じていただきたいと私は思っています。
大きな声では言えませんが(小さな声では聞こえませんが。。。(笑))、日ごろ色々な印刷物などに自分の作品を掲載する機会のある先生ではない、そういう機会の少ない方にこそこの経験を提供して差し上げたいと思います。

5月の光風流カレンダーの作品

そんな光風流の今月のカレンダーは「一寸法師」になっています。

 

 

◇作者
長谷川 紅甫

◇物語
一寸法師

◇花材
カエデ(枝)、セキショウ(葉)、コザサ(葉)、ヒカゲノカズラ(葉)、ヒペリカム(赤)、岩

◇花態
盛花 生け合せ

◇花器
長方形水盤組合せ

◇敷板
組合せ花台

この作品を生けた長谷川紅甫さんから、作品についての一言

一寸法師のお椀が、川で流れている様子を表現するために、自然盛の「河川」という生け方でお花を生けました。

ご指導いただいています山本美津甫先生から、「こちらの作品は材料選びが要(かなめ)ですよ」とお聞きしておりましたので、川に石を拾いに行ったり、カエデをお家に植えておられる方に分けて頂いたりして材料準備を行ない、苦労しましたが良い材料を手に入れることが出来ました。

そのようにして集めた材料で生けた作品に、葉っぱ1枚の有無による表情の違いや、どうやったら作品に使用したお椀に川の流れを感じる動きを生み出すことが出来るのかとか、写真撮影にあたってこの作品に合う背景の選択など沢山のアドバイスを先生からいただき、私の作品の上に色々スパイスを振りかけるようにしていただいて、自分の力以上のものが発揮できたと思います。

6月の暑いとき、青いカエデを見て涼んでいただけたらと思います。

長谷川紅甫さんの光風流カレンダー 生け込み&撮影風景

スタジオで写真撮影のためにカレンダーの作品を制作されている長谷川紅甫さんの様子もご紹介させて頂きます。
音が出ますのでボリュームにはご注意ください。

よければ「チャンネル登録」や「高評価」していただければ嬉しいです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。