いけばなのイメージを叩き壊す事も、これからの飛躍のためには必要だと思います。

こんにちは。
現在開催中の「兵庫県いけばな展」の会場に向かうバスの中で、このブログを書いている、いけばなの光風流家元 内藤正風です。

 

いけばなのイメージ

初めてお出会いさせて頂いた方とお話をさせて頂いていると、かなりの高確率で”伝統”、”着物”、”畳”、”正座”、”若い女性”と言うキーワードがお話の中で登場します。
これってたぶん世の皆さんが「いけばな」に対して持たれているイメージなんだと思います。
若い女性が着物を着て畳の部屋で正座してお花を生けている。。。。。
イメージとしてはとても美しく綺麗なのですが、残念ながら現在のいけばなを取り巻く環境は、まるっきり違っています。

着物を着てお稽古はしません

まず着物を着てお稽古はしません。
ってか、着物を着なければならない機会と言うのは、ほぼありません。

結婚前の若い女性はお稽古に来られていません

若い女性がお稽古をしていると言うイメージは、きっと花嫁修業と言うことなのかなと思いますが、現在お稽古に来られている方で花嫁修業の意識を持たれている方は”ゼロ”です。
なぜならば、結婚前にいけばなをお稽古してっていうのは20年も30年も前の価値観で、今はそう言う考え方はまるっきり皆さんありません。
なので20代とかの若い女性は極少数で、30代40代50代が若い世代になります。
そして60代70代80代の皆さんが現役でお花を楽しまれています。

私の教室に畳の教室はありません。

私がしている教室で、畳の教室は、ほぼありません。
ってか、正座して教室する事もありません。全ての教室が、机に椅子になっています。
年配の皆さんは、膝が痛かったり足が痛かったりして、正座が出来ません。
若い皆さんは、子どもの頃からイスとテーブルの生活を送られているので、正座をしたことが無い方が多いのが実情です。

イメージと実情の違いから生まれる苦悩

こんな風に、いけばなの今の状況と皆さんが持ってくださっているイメージが掛け離れてしまっているというのは、絶対に良くないことだと私は思っています。
だってその事が今のいけばなの普及や発展の足かせになっている要素がとても大きいのですから。

しかし一度ついたイメージを変えようとするのは、新たなイメージを植え付けるよりも何倍も大変な事だと思います。
だったらイメージを変えようと四苦八苦するよりも、今あるイメージをぶち壊して新たなイメージを構築した方がいいんじゃないのかなぁ、なーんて思ったりもします。

伝統がある事の素晴らしさと、伝統がある事の大変さ、そんなことを思ったのでブログに書いてみました。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。