準備は本番を楽しむためにある | いけばな展の「下生け」から考える段取り八分
ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。
いよいよ明日から、秋のいけばな展のピークに突入します。
明日13日は「兵庫県いけばな展」の生け込みになり、14日から開会。来週は「日本いけばな芸術展」、そして月末には「兵庫県いけばな展(加古川市会場)」と、「光風流西脇支部いけばな展」と続きまくりです。(笑)
そんな中、いけばな展が近づいてくると、出瓶される皆さんは作品の準備に忙しくなります。特にいけばな展の作品準備に直接かかわる作業の事を、いけばなでは「下生け」と呼んでいます。
ちなみに私は、いけばな展で良い作品を生けるためには、この「下生け」がとても重要だと思っています。ってか、下生けを疎かにして、いけばな展の会場で良い作品を作ろうなんて、そんなに甘いものではないのです。
いけばな展の「生け込み」は時間との勝負です
いけばな展の会場で作品を生けることを「生け込み」と言いますが、この生け込みには時間の制限があります。例えば、生け込み時間が約2時間だったとしましょう。
2時間なんて、作品作りに集中していたら「あっ」という間です。そんな限られた時間の中で、何の準備もせずに作品を作ろうとしたら、時間は足りないわ、作品の完成度は低くなっちゃうわで、ヒッチャカメッチャカのえらい事になってしまいます。
だから私は、2時間の生け込みならば、1時間程度で作品を形に出来るくらいまで、事前に準備をしておく必要があると思っています。
そうすれば、予想外のことが起こっても落ち着いて対応できますし、最後に作品を見直したり、細かな部分を整えたりする時間も確保できますから。
「下生け」は、お料理でいう「下ごしらえ」と同じです
私は、いけばな展の生け込みというのは、お料理とよく似ていると思っています。
お料理をするときには、食材を切ったり、あく抜きをしたり、下味をつけたりと、事前に「下ごしらえ」をしますよね。鍋で煮たりフライパンで焼いたりする段階になってから、初めて食材を切り始めるなんてことは、まずありませんよね。
そしてこの下ごしらえの良し悪しが、お料理の仕上がりに大きく影響するのです。
いけばな展の「下生け」も、これと全く同じです。
作品のイメージに合わせて、必要な枝と不要な枝を仕分けする。枝の形を整え、作品の骨格を作っておく。花器に安定して留められるように、土台を準備しておく。
こういう作業を事前にしっかり行っておくからこそ、会場では作品の仕上げに集中できるのです。逆に、こうした準備を手抜きしてしまったら、本番で慌てることになるのは目に見えています。
昔から「段取り八分」と言います
日本には昔から「段取り八分」という言葉があります。物事の成否は、実際に作業を始める前の準備によって大きく左右されるという考え方です。
ちなみに私は、これは仕事だけではなく、日常生活や遊びなど、あらゆることに当てはまると思っています。
何かを始める前に、どこまで準備が出来ているのか。それによって、作業の効率も、仕上がりも、そして気持ちの余裕も変わってくるのです。いけばな展の生け込みも同じで、生け込みが始まる前から、すでに勝負は始まっているのです。
準備が万端であれば、思いがけない問題が起こっても慌てずに済みます。ってか、余裕があれば、そんな突発的な出来事さえ楽しめるようになるのです。
準備を整えて、本番を楽しめるようになりたいものです
私は、いけばな展の生け込みというのは、ただ時間内に作品を完成させればよいものではないと思っています。せっかく自分の作品を発表できる機会なのですから、出瓶者の皆様には、その時間そのものを楽しんでもらいたいのです。
準備が整っていれば、気持ちに余裕が生まれます。余裕があれば、自分の作品を落ち着いて見ることが出来ますし、周りの人のことにも目が向くようになります。そして、そんな心のゆとりが、作品の完成度を高めたり、周囲の人への気遣いにつながったりするのです。
準備というのは、本番で苦労しないためだけにするものではありません。本番を思い切り楽しむためにするものでもあるのです。折角のいけばな展なんですから、楽しまなくちゃ勿体ないですよね。
これから各地で開催予定のいけばな展に出瓶される皆様には、準備万端整えて、いけばな展を大いに楽しんでいただきたいと思います。
内藤正風PROFILE

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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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