「若い人に任せて」は、丸投げではいけない | 人を育てる先輩に必要な覚悟と責任

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

色々な会議や集まりなどで、「ここは若い人に任せて」という言葉を耳にすることがあります。もちろん、若い人に活躍してもらおうという気持ちから出ている言葉なのでしょうが、私はこの言葉を聞くたびに、ちょっと引っ掛かるものがあるのです。
それは、「若い人に任せて」という言葉が、時として「若い人に丸投げして」というニュアンスを感じることがあるからです。

「若い人に任せて」という言葉がありますが。。

私は、「若い人に任せて」という言葉ほど、使い方を間違えると無責任になってしまう言葉はないと思っています。ちなみにここでいう若い人とは、年齢の若い人だけではなく、経験の浅い人も含んでいます。

若い人には、経験豊富な人にはない新鮮な発想や行動力があります。一方、経験豊富な人には、これまで積み重ねてきた知識や経験、人とのつながりがあります。では、どちらが優れているのか。私は、そんな比較自体に意味がないと思うのです。

若い人が優れていて、年配の人が劣っているわけではありません。もちろん、その逆でもありません。それぞれに持っているものが違うのですから、その違いを生かし合えばいいのです。

若い人が活躍できる環境を作るのは、先輩の役割です

私は、若い人や経験の浅い人が思い切って活躍できる環境を作ることこそ、経験豊富な人や先輩の大切な役割だと思っています。
例えば、何か新しい行事を企画するとしましょう。若い人に「好きなようにやってごらん」と言うのは簡単です。でも、企画を実現するには、人を集めなければなりませんし、お金も必要です。色々な人との調整もしなければなりません。
なのに経験の浅い人に、これらを全部任せてしまったらどうなるでしょう。

本人にやる気があっても、経験や人脈が足りず、思うように進められないことだってあるはずです。だからこそ、先輩が持っている経験や人脈を生かして、若い人を支えてあげる必要があるのです。そして反対に、若い人が持っている行動力や新しい発想で、経験豊富な人を支えることも出来ます。
つまり、どちらか一方が頑張るのではなく、お互いが引き立て合い、助け合う。私は、そういう関係であるべきだと思っています。

「若い人に任せて」に加えてほしい一言

もし本当に若い人を引き立てようと思って、「若い人に任せて」とおっしゃるのであれば、私はそこにもう一言加えていただきたいと思っています。それは、「責任は私が全部引き受けるから」という言葉です。

「人を集めることは私たちが何とかするから、思うようにやってごらん」「お金の工面はこちらで何とかするから、やりたいことを形にしてごらん」。こんなふうに言ってもらえたら、若い人はどれほど心強いでしょう。

もちろん、任された人にも責任はあります。自分で考え、工夫し、努力することは当然必要です。しかし、任せた側が「後は知らない」という姿勢では、安心して挑戦することなど出来ませんよね。
なので私は、「任せるというのは、責任まで放り出すことではない」と、声を大にして言いたいし、そういう人を目にすると、胸糞悪くなるのです。

安心して挑戦できる環境が、人を育てる

誰だって、失敗したいと思っているわけではありません。仲間や先輩に迷惑を掛けてやろう、なんて思っているわけでもないのです。
それでも、新しいことに挑戦すれば、思うようにいかないこともあります。失敗することだってあります。そんな時に、「大丈夫。何かあったら私がいるから」と言ってくれる先輩がいる。それだけで、どれほど心強いことでしょう。
そして、そんな環境があるからこそ、若い人も安心して新しいことに挑戦し、経験を積み、成長していくことが出来るのだと思うのです。

私は、光風流の中に、そんな頼れる先輩が一人でも多く誕生してくださったら嬉しいなぁと思っています。
そして、若い人も経験豊富な人も、お互いを必要とし、支え合いながら、それぞれの力を発揮できる光風流であり続けたいと思うのです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。