みんなの意見を取り入れて物事を決めようとするのは一見すると良い事のように思いますが、実は無責任な人のすることに他ならないのです

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

先日、光風流の役員の先生に、「みんなの意見を取り入れようと思うから、良いものが出来なかったり、何もできなくなってしまったりするのです」というお話をさせて頂きました。
なので今日は、そんな事についてブログを書きたいと思います。

みんなの意見を取り入れる事なんてできない

よく「皆さんの意見を取り入れながら・・・」なんて言葉を聞くことがあると思いますが、そんなこと絶対にできません。だってみんながそれぞれに好きに行った意見を全て取り入れたら、何も出来なくなる結果しか待っていないのですから。

一番わかりやすい例を挙げると、兵庫県にいる私が「みんなどこに旅行に行きたい?みんなの意見を取り入れて決めようと思う」って聞いて、1人は東に行きたいから京都。別の1人は西に行きたいから岡山。ほかの1人は南に行きたいから和歌山。もう1人が北に行きたいから香住。って言ったらどうなります。
結局どこにも行けなくなりますよね。

みんなの意見を取り入れるなんて、ただの無責任でしかない

みんなの意見を取り入れてって言葉は、すごく物分かりの良い人みたいな印象とか、民主的な人みたいなイメージとか、優しいリーダーみたいな感じを持たれる方も多いと思います。
しかしこれって私から言わせれば、ただの無責任な行動にしか感じることが出来ないのです。

だって、みんなの意見を取り入れてと言うことは、うまく行ったときには「みんなの意見を取り入れて行なったので良かった」という自分の手柄にして、うまく行かなかったときには「私はみんなの意見に従っただけ」とか、なんなら、「みんなが言うから私の考えは違っていたのだけれど。。」みたいな責任転嫁や逃げをすることが出来る様になりかねないってことなのですから。

みんなに意見を求めるときには、皆に嫌われる覚悟が必要です

では皆さんに意見を求めるのは意味のない事なのかというと、そうではありません。人1人が考える事柄なんて、ものすごく偏っていたり狭い範囲の思考に基づくしかありません。だって人の経験したことや知識なんて、その人の生きてきた範疇の事しかないのですから。
なので世代をこえ、性別を超え、地域を超え、職種を超えて、色々な人に意見を求めるというのは、選択肢を増やすことになります。
しかしここで忘れてならないのは、取り入れることが出来る意見は極めて限られているという事です。

たとえば先ほどの旅行の例でいうと、京都、岡山、和歌山、香住という四つの意見が出ましたが、その中から一つを選ばなければならないという事です。つまり4人のうち3人には、嫌われる覚悟が必要だという事です。

色んな人の考えを聞くのは、情報を集めているにすぎない

「どうしましょう?」なんて質問を投げかけていませんか。「皆さんの意見を取り入れて物事を進めてゆきましょう。」なんてきれいごとを言っていませんか。
自由に意見を言うことが出来る環境は大切です。そして多くの人の話に耳を傾けるいう事もとても大切です。
しかしそれはみんなの意見を取り入れる事ではありません。皆さんの考えをお聞きし、自分に無い考え方や思考を補い、その上で責任をもって判断を行なうという事です。
良い判断をするためには、色々な情報に基づいて考えたほうが良いのは言うまでもありませんよね。1つの物事を判断するときに1しか情報がない状態で判断するのと、10情報があって判断するのと、100の情報があって判断するのとでは、100の情報に基づいて思考し判断したほうが絶対に良い判断が出来るのは間違いありません。

1つの団体や組織,グループにおいて、長やリーダーという立場にある人がするべき一番大切な事は、色々な情報に基づいて正しく決断するという事であり、それはすなわち八方美人ではならないという事に他ならないのです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。