民主主義の基本は多数決というけれど、多数決が最上という考え方が組織や思考を歪ませてしまっている側面もあるのです

こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

私が住んでいる兵庫県加西市では、一昨日の日曜日に、市長と市議会議員のW選挙が行われました。
途中で票の数え間違いがあって速報が中々流れなかったりというハプニングもありましたが、とにもかくにも無事に終わりました。

民主主義の基本は多数決。というけれど・・・

民主主義の基本は多数決です。議員や市長を選ぶのも選挙で票が沢山入った人です。何かを決めるときも賛成する人の多い方に決定します。たしかにそれが民意になります。
しかし会社や団体というような組織において特に意思決定の部分では、多数決が必ずしも最良であり最善の方法だとは言い切れないなぁと私は思っています。

その理由はいくつかありますが、特に大きなものが2つあります。
まず1つ目の理由は、多数決は責任の所在を明確にしない行動であるという事。そして2つ目は、多数決は派閥を作る始まりになる行動だという事です。

多数決は「寄らば大樹の陰」的な行動が増え、責任を持たない発言が増える恐れがある

多数決は責任の所在を明確にしません。
例えば失政と呼ばれる様な政治活動を行なって、逮捕され裁判にかけられて有罪になった国会議員はいますでしょうか。居ないです。
みんなが選んだ国会議員だから仕方がないという事であったり、あるいはその政策は国会において審議され多数決で可決されたから仕方がないという事でしょう。

まあ政治の世界でそれは許されたとしても、民間企業や商店や各種団体においての失敗はそのまま命取りになるのです。なのにその時に、会社や団体で多数決で決めたから許してって言ったら許してもらえるでしょうか。そんな事は絶対にないですよね。
そして多数決で物事を決めてゆく中で私が一番怖いなぁと思うのは、「皆で決めたんだから仕方ないよね」なんていう意味不明な傷の舐め合がそこには生まれてきますし、そうなってくると「寄らば大樹の陰」的な考え方や行動をする人が生まれてきて、責任を持たない発言が増え組織の崩壊が始まってしまうのです。

つまり、ハッキリとわかる誰かが、責任を持って決断した判断である事こそが重要だと思うのです。

多数決は、賛成派と反対派をわざわざ生み出している

選挙なんてまさにそうですよね。市長派、反市長派みたいな対立の構造がはじめから生まれています。

まあ選挙はそれでいいでしょうが、団体や組織で賛成派反対派みたいになるとそれは派閥になってゆくという事です。
そして派閥が出来ると、物事の正しい間違っているという判断ではなく、誰の提案かという事で可否を考えてしまう様になります。○○さんの提案だから賛成。▲▲さんの提案だから反対。みたいな感じです。

内容に関係なく可否を問われるようになってしまったら、そこにあるのはパワーバランスだけになってしまい、物事を深く考え、そしてより良い方法を模索するという事がなくなってしまいます。
そうなってしまっては、民主主義を装った独裁状態と言えるのではないでしょうか。

光風流では流派全体も支部においても多数決は行なっていません

光風流では、賛成の人は挙手してくださいという物事の決め方は行なっていません。とはいえ誰かの鶴の一声でもありません。彼の国の将軍様じゃないのですから。(笑)

1つの物事を決めるにあたっては色々な人の考えをお聞きし、その中から今とるべき最善を考え、そうしてその会議に参加している役員の総意として決定しています。
たとえその議題について検討している時に反対意見を出していたとしても、一旦決定がなされたならば全ての役員の総意となるのです。

なので全ての決定においての責任者は、その会議を招集した役員という事になりますし、もっと言うならば流派全体の事であろうと支部の事であろうと役員任命をしたのは家元なのですから、その意味で全ての最終責任は家元にあるという事なのです。

今回の選挙では速報を見ながらそんな事をふと思ったので、今日のブログにしてみました。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。