日本人は時間を守るというイメージが強いですが、それって実は思い込みで、終わりの時間にはルーズな人が多いのをご存じですか

こんにちは、内藤正風です。
今日は展覧会の生け込み前日という事で、教室でのお稽古は午前中だけの開催にさせて頂きました。

ちなみに、いけばな展の会場となる加西市民会館では、明日の生け込みに向けて会場設営が着々と進んでいます。

愚息の副家元が今日は朝から会場に行って、設営の確認をしたり玄関花の生け込みをしたりしていますので、朝一番に会場に行ったときに写真を撮ってきてもらいました。

日本人は始まりの時間にはうるさいが。。。

本日のお稽古が終了したのはこの時間。

12時までの教室の終了時間が13時30分って。。。。。
おかげで13時からの次の予定に遅刻しました。予定の時間に間に合わずご迷惑をおかけした皆さん申し訳ありませんでした。

少しでもしっかりとお稽古をしたいという生徒さん方の気持ちは分かりますが、時間を守るという基本的な思考が欠落しているのは凄く問題だと思うのです。
なぜならば時間を守るという思考の欠落は、光風流の今後に悪影響を及ぼす事になってしまうと感じるからです。

日本人って時間をきっちり守るというイメージをお持ちの方が多いと思うのですが、これって大きな間違いだと私は思っています。だって時間を守るのは始まりの時間だけで、終わりの時間のルーズな事ルーズな事。
会議のスタートの時間には全員キチっとそろわれていますが、終わる時間ってあいまいなこと多くないですか。
食事会や宴会なども、決まった時間にはキチっと始まりますが、時間が来ているのにいつまでたっても終わらないみたいなことありませんか?
こういう経験を私は度々しています。

これ実は私どもの教室でも同じことが起こっていまして、今日のお稽古を午前中という事にさせて頂いた理由も、普段と同じように夜9時までの教室にさせて頂いていると、10時になっても11時になってもお稽古が終わらないという状況がこれまでに散々起こっていたからです。

先にも書きましたが、自分の作品を少しでも良いものにしたいという気持ちは分かります。しかしだからと言って時間を守らなくてもよいという事にはならないので、時間に終わることが出来ないのならばお稽古の終了時間を早めるしかないので、午前中という事にさせて頂いたのです。
しかしお稽古の終了時間を早くさせていただいてもその時間に終わることが出来なければ、意味がないのは言うまでもありません。

なので今日は、なぜこうなってしまうのかを分析してみたいと思います。

終わりの時間を守ることが出来ない理由

終わりの時間を守ることが出来ない理由はいくつか挙げることが出来ると思います。
その理由のまず第1番目は、お稽古の段取りが出来ていない。という事があると思います

いけばな展などの作品作りのお稽古って、その日のお稽古について目標を持ったりお稽古のイメージをしっかりと持って臨むことが大切だと思います。教室に来られるまでに、今日はこんな事を学ぼうとか、2時間でお稽古ができるように下準備をしてゆこうという感じで、お稽古のイメージを自分なりに持って事前準備をしっかりとしておく事が不可欠になります。
「とにかく行ったら何とかなる」では、何ともなりません。

次に2番目としては、そもそも時間を守る気がないというパターンもあるでしょう。
時間は決められているけれど自分のお稽古が終わらなければ帰らないよって思われてしまっていたら、私はお手上げです。
(笑)

時間を守れないという事は、すなわち誰かに迷惑をかけているという事でもあるのです

こんな風に言っていると、一生懸命にやっているんだからちょっとくらいエエヤンって思われる方もあると思います。
一生懸命にしていただけるのは嬉しい限りです。そして本部いけばな教室の事なので、私が我慢すればそれでいいのかもしれません。
しかしその事によって、他の方に迷惑をかけるような事態が起こっているとしたら、ちょっとくらいエエヤン。。では済ますことが出来なくなると思うのです。

例えば今日は現実に、次のお約束の時間に間に合わず、何人かの方にご迷惑をおかけしてしまいました。
いけばな展の生け込みは時間が定められている場合が大半ですので、終了時間に間に合わすことが出来なければ、そこでお世話してくださっている方も帰ることが出来ずご迷惑をおかけすることになります。加えて会場の職員の皆さんにもご迷惑をおかけすることになります。

そもそも時間に合わせて生けることが出来ない様では、お花を生けて欲しいとお友達や親戚から頼まれても、限られた時間に合わせてお花を生けて間に合わせる事すらできなくなる可能性だってあるのです。

いずれにしても信頼を失っちゃっているって事に他ならないのはお分かりいただけると思います。

同じことを繰り返さない様にしてゆきたいです

ってこんな風に書いていると、光風流の方全てがそうされていると誤解を受けてはいけないのであえて書かせていただきます。
時間をお守りいただく事が出来ないのは、ごく一部の方だけの事です。
しかしごく一部の方の事だからと言って、看過することはできませんし、看過して良い事だとも思いません。なぜならそれは「蟻の一穴(ありのいっけつ)」の例えもありますように、大事はほんの些細なことが原因となり起こるからです。

世の中のルールって、ごく一部の不心得な方が原因になって定められていっていると私は思っています。例えばごく一部に盗みをする人がいるから盗難に対する刑法や刑罰が必要になっているのですから。
この時間を守るという事についても、ごく一部にそういう方が居られるので、ルールを設けないといけなくなっちゃうのです。そしてこういう類のルールは、窮屈になっていくだけで誰にも喜ばれることはありません。
これも人に迷惑をかけ、自分の首を絞めているという事ですね。

次のいけばな展の生け込みの前日のお稽古の時には、こういう事が起こらない様になればいいなぁと思っています。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。