手法と目的が逆転してしまわないようにするには、「何のためにその決定を行なったのか」そして「本質は何なのか」をシッカリと伝える努力が必要です

こんにちは、内藤正風です。

昨日、光風流の役員会を開催したのですが、今日はその時に思った「自分自身も気を付けないとなぁ。。」と思った事について書きたいと思います。

人に何かを伝える時に、決定事項だけ話したのでは正しく伝わらない

役員会では色々なことを審議し決定してゆきます。そしてその決定事項は光風流の各支部や光風流で学ぶ皆さんにお伝えするようになります。
そんな時についついやっちゃいがちな事の1つに、「とにかく決定事項伝えなければ」と考えてしまう事です。

たとえば、ある1つの決定事項についてお知らせするときに、役員本人はその事柄が会議の議案となった理由やどのような議論があって決まったのかという事を全てわかっています。そして全てわかったうえで決定事項を皆さんにお伝えする流れになっているのですが、この時に決定事項を伝えることにばかり目が行きがちになりますが、実は一番大切なのは「なぜこのような決定を下したのかという本質が相手に伝わるようにする」という事なのです。

目で見えるものに本質は無い

例えば一例を挙げると、光風流の今年1月に開催した新年会において、令和4年度の光風流のカレンダーの作者の皆様に作品の写真をA4サイズにプリントして額に入れたものを贈呈させていただきました。
この行為だけを見ていると写真の贈呈式を行なった様にそこにおられた多くの方には見えているかと思いますが、目指したものは実は全く違います。
ではこの一連の事は何を目的として行なったのかというと、カレンダーに作品を提供してくださった作者を光風流の皆さんに紹介するという事を目的に行なったのです。

なのでここで大切なのは、「カレンダーに作品を提供してくださった方を光風流の皆さんに紹介させていただきハレの場とする」という事であって、写真の額を贈呈するという事ではないのです。
つまり写真の額の贈呈は単なる手法でしかなく、決して本質ではないという事になります。

ここでお気づきいただけるでしょうか。写真の贈呈式を行なったというのと、カレンダーの作者の披露を行なったというのでは、全く意味合いが違ってくるという事に。
写真の贈呈式と捉えた場合には、写真をとにかくお渡ししなければなりません。しかしながらカレンダーの作者の紹介ならば、写真の贈呈も1つの方法だし、もっと良い方法があったらやり方を自由に変えてゆくことが出来る様になります。

手法は道具であり、何を目指しているのかが本質

目に見えている事の大半は、単なる手法に過ぎません。手法とはすなわち道具です。金槌やのこぎりと同じです。その時その時に合わせて必要な道具は変わってきます。
なのでどんな道具を使うという事は、決して目的にはならないししてはいけないのです。

例えば、書類を入れる木箱が必要だから制作しなければならない場面では、板を必要な大きさに切るときにノコギリを使いますし組み立てるときには釘や金槌を使います。
しかし板が既に必要な寸法になっているのならばノコギリは使わなくてよいですし、組み立てるときにネジ釘を使うならば、金槌ではなく電気ドライバーが必要になってきます。

つまり、どんな道具(ノコギリや金槌)を使うのかではなく、書類を入れる為の木箱が必要であるという目的を見失ってはならないし、この木箱を誰かに作っていただこうと思ったり木箱づくりを手伝っていただこうと思うのならば、どんな木箱が必要でそれはどんなふうに使うのかという事がハッキリと理解できるように相手に伝える努力をしなければならないという事なのです。

「何のためにその決定を行なったのか」そして「本質は何なのか」

決定事項というのは、その大半が目的を達成するための手法です。
なので決定事項を皆さんにお伝えし正しく理解をしていただきたいと思うのならば、「何のためにその決定を行なったのか」、そして「本質は何なのか」が分かりやすく相手に伝わるようにシッカリと考える必要があると思います。

そんなことを改めて思った役員会でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。