先生が良かれと思ってしているその行動は、お弟子さんのやる気や楽しみを奪っていませんか

こんにちは、内藤正風です。

今日は朝から雨になり、今は曇っていますが、明日から3日間は雨の天気予報になっています。

今日は朝から晩まで事務や残務などでキュウキュウ言わされていますので、こんな日に天気が良いと出掛けることが出来ないのが悔しいのですが、雨&曇りのおかげでそんなことも思わずに済んでいます。(笑)

さてそんな雨&曇りの水曜日だからという事ではありませんが、今日は光風流の先生方には少しショッキングなテーマでブログを書きたいと思います。

構い過ぎは、生徒さんの考える力を殺しているのです

生徒さんを構いすぎる先生がいます。
これは今に始まったことではなく、昔からそういう先生は居られるのです。

生徒さんが支部の講習会に行かれるときには、配り木の材料まで用意して送り出す先生。
いけばな展の時に、生徒さんに使う花器や花材や生け方まで指示されたり、生徒さんの作品に手を出し過ぎる先生。
自分の持っている器を、これ使いなさい。。と言って貸す先生。
お庭にある花材を、これ使いなさいと言って提供する先生。
本来生徒さんがしたほうが良い事を、負担になったらいけないからと言って自分が代わって行なってしまわれる先生。
例を挙げればきりがないのですが。。。。。

ハッキリ言います。先生が生徒さんを構い過ぎると、生徒さんが育たなくなってしまいますよ。

先生が構い過ぎると生徒さんが育たないというのは「歴史」が証明しています

光風流は今年創立から62年目を迎えているのですが、光風流の歴史を紐解き、それぞれの時代に活躍された方を振り返ってみると、どういう方が活躍されたのか検証することが出来ます。

今現在、光風流本部の役員を務めてくださっている先生方やお弟子さんをバリバリ指導してくださっている先生方は、教わっていた先生が早くに亡くなられたり病気で動けなくなられたような方のお弟子さんばかりです。
なので、いけばな展の時には自分で構想し花材を手配し花器を用意してこられたような方ばかりです。
この皆さんの前の世代に本部役員を務めておられたり指導者として活躍されていた先生方は、先代家元の門弟が大半でしたが、先代家元は手取り足取り「大丈夫か?」なんて言う人ではありませんでした。

そして逆に、生徒さんのことを構い過ぎる先生のもとでお稽古されたお弟子さんで、本部役員として活躍されたり指導者として活躍されている方は皆無ですし、逆にそういう先生の中には支部を立ち行かなくしてしまい、支部自体を潰してしまわれた先生もおられます。

もうこれだけの事例を見れば、生徒さんを構い過ぎるのは「破滅への第一歩」だという事がハッキリとお分かりいただけるのではないかと思います。

いけばなで一番大切なのは「自分で考え行動する事」です

いけばなで一番大切なことは何か?と質問をすると、「お花を綺麗に生ける事」とか「上手に生ける事」と答えられる方が多いです。しかし私はそうではないと思っています。
では何が一番大切なのかと言うと、「自分で考えて生けること」です。

どんなに綺麗にお花を生けることが出来ていても、その作品が自分の手によるものではなく先生の手によるものだったらどうでしょう。
いけばな展で、自分がしたい作品ではなく、先生に指示された作品を展示していたらどうでしょう。
お稽古ではいつも先生が1から10まで全てを行なって下さり、自分なりの創意工夫やチャレンジをする事が出来なかったらどうでしょう。
絶対に楽しくないですよね。

初心者なら初心者なりに、上級者は上級者なりに、自分の ”したい” を盛り込んだり形にしたりするからこそ、いけばなを通じて達成感や満足感を感じることが出来るのだと思います。
だって人の生けた作品を自分の分身の様に可愛く思えますか?自分のしたい事が出来ないのに楽しいでしょうか。。。
そんな状態で、知識や技術をいくら詰め込まれても身につかないです。
自分の作品が可愛かったり自分のしたい事があったら、知識や技術なんて楽しみながら習得出来ちゃいます。

そう考えたら、日ごろのお稽古から生徒さんには、自分で考えたり試行錯誤してみたりする機会を与えて差し上げ、いけばなのもつ魅力や楽しさを自分で生み出すことが出来るようにしてあげる事こそが、指導者に求められている事だと私は思っています。

構い過ぎの先生は要注意ですよ~。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。