新年とはある種の生まれ変わりであり、光風流は新たな気持ちで本日より始動いたします

こんにちは、内藤正風です。

光風流は本日より始動いたしました。
朝から流祖新年拝礼式を行い、その後役員会を開催しています。

新年とはある種の生まれ変わりでもあります

始まりというのはいつも気持ちの良いものですよね。今日も光風流の始動という事で、清々しい気持ちで朝から過ごしています。

とはいえ、光風流が新たに立ち上がったわけではなく62回目の新しい年を迎えたという事なのですが、1年という節目を超える事によって起こるある種の生まれ変わりが精神的にも作用して、この清々しさにつながっているのだと思います。

そしてこの定期的に迎える節目から感じる清々しさは、式年遷宮などにも関連してゆくのだと思います。

なぜ式年遷宮が行われるのか

式年遷宮はその文字の通りに一定の期間ごとに宮を遷すという事で、一番有名なのは伊勢神宮の式年遷宮ではないかと思います。

そんな式年遷宮ですが、一定の期間を決めてなぜそんなことをしないといけないのかというと、大きな理由としては2つあると私は思っています。
まず1つ目は建物を新しくすることにより、生まれ変わりによる永続性を象徴させているという事。そして2つ目は、定期的に行う事による技術の継承です。

生まれ変わりによる永続性とは、この世にあるものは全て命があり形があります。すなわち命には終わりがあるし形あるものはいつか壊れるという事です。人間自身もそうですよね。
しかしそれではどんなに素晴らしいものも大切なものも後世への継承を行なうことが出来なくなってしまうので、生まれ変わりを行なう事によって営々と続く流れにしてゆこうという事にほかならないのです。
そしてそういう中で、式年遷宮ならば建物を造営するに必要な技術やお祭りの所作や作法などをシッカリと人から人に伝え継承してゆくことが出来る様にしてゆこうという事でもあるのです。

式年遷宮からの学び

これって私たちのお仕事や日常生活にもそのまま当てはまることだと思います。

人には寿命があります。もちろん人によって長い短いはありますが、人は必ず死にます。
そんな中で自分さえ良い目が出来ればよいとか、今がよければいいという事ではなく、自分が誰かから学んだ事や積み重ねてきた経験は、しっかりとバトンタッチをして後世の役に立ててゆかなければ、人の成長も進歩もなくなってしまうという事だと思うのです。

物事は続くからこそ価値になる

いけばなにも同じことが言えると思います。先生から学んだ知識や技術を誰にも伝えずに1人占めしているという事は、自分さえ良ければよいという利己主義に他なりません。
なぜならこの行為は、先生からの流れを自分のところで途絶えさせてしまうという事にほかならず、先生への恩返しにもならないどころか後世の人に伝えるという一番大切な役割を放棄しているのですから。

物事は続くことにより価値が生まれます。それは日本が今年皇紀2682年を迎え世界の中でもずば抜けて長い歴史を持っているという事であったり、その歴史の中で色々な文化が生み出されてきたという事であったり、それらが今も営々と続いているという事によって真似の出来ない物になってゆくのです。

今世の中のあらゆるものは、お金を出せば真似することが出来ます。しかしいくらお金があっても手に入れる事が出来ない物があります。それは歴史です。歴史や長い年月の中で積み上げられ磨かれてきたものだけは真似をすることが出来ません。

という事はすなわち、古来からの教えを学び、それを自分なりに創意工夫し、そういう経験やノウハウを後世に伝承してゆくことこそが、人がこの世に生を受けた理由であると共に使命ではないかと思うのです。

今年、皆さんにお伝えしたことがどの様に広がってゆくのかはわかりませんが、1年間しっかりと頑張ってゆきたいと気持ちを新たにする機会になりました。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。