いけばなの作品を作るときに必要な3つの視点は、お仕事や日常生活においても大切な視点だと思います

こんばんは、内藤正風です。

今日は朝から本部いけばな教室においてお稽古をガッツリと行ないました。

今日も7月10日(土)11日(日)に開催する光風流いけばな展の作品作りのお稽古が中心だったのですが、その中で「いけばなの作品作りにおける3つの視点は、お仕事や日常生活にも大切な視点だなぁ」とおもったので、今日のBlogで書きたいと思います。

神は細部に宿る

この言葉は色々なところでよく目にしたり耳にしたりしますよね。「細かなディテールをおろそかにしては全体の美しさは得られない」とか「細かくこだわった細部こそが作品の本質を決める」というような感じで使われることが多いと思います。

いけばなでは作品作りをするときに細かな部分を疎かにしたのでは、絶対に垢抜けした良い作品を仕上げることはできません。
例えれば、折り紙をするときに角や直線をキチっと仕上げないと綺麗に仕上がらなかったり、お掃除をするときに四角い部屋を丸く掃いたのではすっきりと綺麗にならないという事と同じことです。

すなわち視点でいうならば「細かい部分に意識を向ける」という事です。

部分最適と全体最適

いけばなの作品作りでは、作品の全体像をイメージしながら制作をしなければ良い作品を作り上げることは出来ません。
すなわちイメージを先行させながら作品を作ってゆくという事です。
しかしだからと言って細かい部分はどうでもよいのではなく、良い作品は必ず細かい部分までしっかりと仕上げられています。
「木を見て森を見ず」ということわざがありますが、「木を見て森も見る」というスタンスが大切なのです。

すなわち大切なのは、作品を作りながら常に全体を見渡す心であり思考であり心のゆとりなのです。
これは知識とか技術ではなく、姿であり姿勢になります。

モノづくりや企業などでいわれる「部分最適と全体最適」に近いのかなと思います。
部分最適と全体最適は対立する考え方ではなく密接に関連しており、どちらもお互いに不可欠な存在なのです。

視点でいうならば「全体を見る目」ということですね。

モノは外部からの影響を受けながら成立している

世の中にあるすべてのものは外部からの影響を受けています。
いけばなの作品ならば、お花を生ける環境によって作品の見え方が変わります。明るいお部屋と暗いお部屋、広い空間と狭い空間、和室と洋室、ありとあらゆる影響を受けて作品は成立しています。
したがっていけばな作品を作り上げるときには、作品の良し悪しだけではなくその作品のある空間との調和も考えなければなりません。

すなわちいけばなの作品だけを見るのではなく、より一層広い視野をもって周りの環境も含めていけばな作品を見るという事です。

視点でいうならば「俯瞰してみる目」という事です。

3つの目は仕事や日常生活にも大切な視点

細かい部分を見る目、全体を見る目、俯瞰してみる目、この3つの目はいけばなの作品作りだけに必要な事ではないと思います。
細かい部分に意識を向けながら、全体を見渡す心を持ち、周囲まで俯瞰的に見るゆとりを持つって、お仕事にも必要ですし日常生活にも必要な視点になります。

余裕がなくなると俯瞰することが出来なくなったり、目の前にある小さな部分部分に目を奪われてしまったりしがちですが、常にこの3つの視点を意識することで色んなことがスムーズに進めることが出来るようになると思います。
意識して全体を見ようとする、意識して俯瞰してみようとする事こそが大切なのだと思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。