9月8日は二十四節気の「白露」です。「白」って文字を見ると「冬」を連想するでしょうが、実は「秋」の色なのです

こんばんは。
いけばなの光風流家元 内藤正風です。

今週末の9月8日は、二十四節気(にじゅうしせっき)の「白露(はくろ)」と言う日になります。

「二十四節気」とは

この 「二十四節気」 というのは、時候を分けるのに12カ月では大雑把すぎるやんー!って事で、1年を24等分に分けて、その季節の特徴を名称にしたもので、皆さんがよく耳や目にされる、立春・立夏・立秋・立冬、夏至・冬至なんかもこの「二十四節気」の中のひとつになります。
ちなみに、土用とか八十八夜、入梅などは「雑節(ざっせつ)」と呼ばれるものになるので、「二十四節気」ではないのです。

9月なのに「白露」。。。白って冬??

「白露」って聞かれたら、ほとんどの人がこう思われるんじゃないでしょうか。
9月のなのに「白」? 「白」って冬の事じゃないの???って。

日本人は「白」って聞くと、雪とか霜を連想して”冬”ってイメージしがちだと思うのですが、実は全く違うのです。
実はこの「白」っていうのは「五行思想」という考え方から来ているのです。

「五行」 ってなに?占い??

「五行」って聞くと、”占い”とかを連想される人もあるでしょうが、これって昔から伝わる"ものごとの考え方”の1つなんです。

その考え方というのは、この地球上は5つの要素で成り立っていて、その要素がお互いに作用し会うことで成り立っているというものなのです。

ちなみにその5つの要素とは"木"、"火"、"土"、"金"、"水"の5つになります。

「五行」の5つの要素は、お互いに影響を与えあいながら循環する

これら5つの要素はお互いに影響を与えあう存在で、”木”はこすれあうことで”火”が生まれ、”火”が燃えると後には灰すなわち”土”が生まれ、”土”の中では鉱物(”金”)が生まれ、金属(”金”)は温度の差によって結露し”水”が生まれる、水分(”水”)のあるところでは植物(”木”)が生まれる。というように、おたがいに影響しあいながら循環しているという考え方です。

色んなものを5つに分類することで見えてくるものがある

このように物事を5つに分類して考えると、色々なものがそこに当てはまるようになり、次の表のように季節や色も5つに分類することができるのです。

五行
五時(五季) 土用
五色

 

どうでしょうか。この表で「秋」のある列を見ると、秋に該当する色は白になるというのがお分かり頂けると思います。
ちなみに私たちが日頃使ったり耳にする「青春」とか、北原白秋の「白秋」などもここからきているのです。

夜明けに木々の葉に露が付く秋ということで、白露と名付けられているって思うと、粋でしょ!!
こういう発想やものの表現ができる日本人って本当に素敵だと思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。