いけばなで行なう「手直し」とは ”命を大切にする行為” に他ならず、人として大切にしなければならない事です
ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
今日は光風流いけばな展の会場で、朝の手直しをしながらブログを書いています。昨日、作品を生けたばかりですが、この作業は絶対に外すことができない大切なものになります。
いけばなにおける本当に大切なことは、お花を生ける事以外にこそある
“いけばな” と聞くと多くの方が、お花を生ける知識や技術を学ぶものと思われています。それは確かに間違いではないのですが、100点満点の正解とも言えません。
どういうことかと言いますと、 “お花を生ける知識や技術” 以外にこそ、“いけばな” の本質的な学びがあると私は思っており、そんな中の１つに「手直し」ということが挙げられます。
「手直し」とはお花を長持ちさせたり綺麗な状態を維持するために必要な作業の事を言います。つまり、水を足す、傷んだお花を取る、新しいお花を足すというような行為を指す言葉になります。
皆さんご存じのように、植物にお水は不可欠です。器にお花を生けていると、お花が水を吸うので減ります。お水は時間とともに傷んできます。なのでお水を足したり、交換したりしてあげる必要があるのです。
また当然の事ですがお花は生きているので、つぼみは開きます。咲いているお花は萎んでゆきます。そういう痛んできたお花を取り去ったり、新しいお花を足したりすることも日々の中で必要になり、これら一連の作業の事を大切にすることこそが、上手下手以前に ”いけばな人” として大切にしなければならないのです。
「手直し」は特別なことをしているのではありません
ここまで読んでこられた方の中には「なんかムッチャめんどくさそう。。。」って思われた方もあるかもしてませんが、この「手直し」って、いけばなだからしなければならない特別な事を行なっているのではありません。
お花で話すと分かり難いかもしれないので、例えを変えたいと思います。あなたは自分の子供を数日放置したりしますか？絶対にそんなことはしないですよね。ご飯を食べさせたり服を着替えさせたり、温度の変化や環境の変化を気遣ったりしますよね。ペットでも放置しませんよね。
いけばなの作品も同じことだと思うのです。自分が生み出し手塩にかけた分身ともいえる作品なのですから、水が減っていないか？水が汚れていないか？弱ったお花がないか？など気遣い、手を掛けるのは当然のことだと思うのです。
人間だからペットだから大切で、植物はどうでもいいというのは、私はおかしいと思います。命に大小は無いのですから。会場が寒いから大丈夫。強い材料を使っているから大丈夫。なんていうのは自分勝手な論理でしかなく、悪い言い方をしますが、そんな人は、車の中に子供やペットを放置してパチンコに行っている人と同類にしか私は見えないです。
命を大切にすること。これって“いけばな”の上手下手以前の本質として大切にしないといけないことだと私は考えています。
内藤正風PROFILE
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平成５年（1993年）、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
