今週末に開催する「光風流いけばな展」では、展示している作品の意図や制作秘話などを作者自身が話している動画を、作品を見ながらスマホで手軽にご覧いただくことが出来ます

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

今週末の金(18日)・土(19日)・日(20日)の3日間、イオンモール加西北条において「光風流いけばな展」を開催します。
いよいよ近づいてきました。本日の光風流本部いけばな教室のお稽古にお越しになられた皆さんも、いけばな展の作品作りにお越しになられている方が大半で、いよいよだなぁという良い緊張感がみなぎっています。

“いけばな” で完全外来文化を表現してみる

今回の光風流いけばな展は、10月といえばハロウィンなので、「華・トリック・ストリート」のテーマのもと開催をいたします。

10年前には「ハロウィン」といっても、まだまだすべての世代に定着している状態にはなっていなかったと思います。特に年配の方からは「なんかわからないけれど若者がバカ騒ぎをしている」というくらいの認識だったように思うのですが、近年では「お孫ちゃんにあげるお菓子を買っておく」というような、ハロウィンってなんかよく解らないけれど自分たちなりに楽しんでおられるという方もかなり増えてきているように思います。

そんな中、今年の光風流いけばな展では、ハロウィンという完全な外来の文化を、いけばな的視点で捉え、いけばな的思考で表現したらどうなるかという事を行なう機会になっています。

日本の伝統文化であるいけばなで、なぜ外来文化を表現することが可能なのか

多くの方が ”いけばな” =日本の伝統的なモノ、と捉えておられると思います。なので ”いけばな” でハロウィンを表現するというと「えっ!?」と思われる方もあるかもしれません。がしかし、こういう事って日本文化は得意中の得意だとご存じでしょうか。

日本文化の特徴の一つに、異文化を取り入れて自分たちなりのものに昇華して自国の文化にしてしまうという点があります。ちなみになぜこのような事が日本は得意なのかというと、それは八百万信仰(やおよろずしんこう)がその根底にあると私は思っています。
八百万信仰とはすべてのものに精霊が宿るという神道の考え方で、言い方を変えれば多神という考え方になります。多神という考え方の根底にはお互いの違いを認めて尊重しあうという考え方があり、だからこそ私たちは日常生活の中で、お正月は神社に初詣に行き、お盆はお寺さんに棚経にお越しいただき、ハロウィンやクリスマスを楽しむという事を行なっているのです。
ちなみに今世の中では「多様性」という事がしきりに言われていますが、日本ではそもそもの国造りが多様性を認めたものに他ならないのです。

光風流いけばな展では作品を単に見ていただくだけではなく、作者の制作秘話などを動画でご覧いただくことができます

さてそんな「光風流いけばな展」ですが、お越しくださった皆様にいけばな作品をより楽しんでいただくことが出来る様に、作品の意図や作品制作秘話などを作者本人が話している動画をスマホやタブレットでご覧いただくことが出来る様にしています。

会場にお越しになられましたら、作品の横にQRコードを掲示していますので、それをスマホで読み取っていただければ手軽に動画をご覧いただくことが出来ます。
なお会場は人通りも多くにぎやかですので、動画の音声が聞き取りにくい場合もあります。なので画像には字幕も入れてありますので、画面だけを見ていただければ話している内容を理解していただくことも出来るようになっています。

今週末のいけばな展では、会場において片っ端から順番に、作品と動画を見ていただくのもいいでしょうし、気になった作品や動画だけをご覧になっていただくのもよいと思います。
なので光風流いけばな展にお越しの際には、スマホやタブレットは充電をしっかりとしてお越しいただくようにしてくださいね。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。