今年の光風流夏季セミナーでは、「なぜ」という思考をすると物事の本質が見え、いけばなの核心を学ぶことが出来るということについて学んでいただきます
こんにちは、内藤正風です。
今日も朝から、来週末に開催する「夏季セミナー」の準備三昧な1日を過ごしています。
夏季セミナーの講義内容について考えていると、夏季セミナーの内容に関係ある事や全く関係ないことなどがドンドン思い浮かんできて、思いついた瞬間にメモった紙が山積みになってきています。
このメモはいつ処理したらいいんでしょうね。(笑)
今年の夏季セミナーのテーマは「様式には本質が宿る」
今年の光風流夏季セミナーの全体テーマは「様式には本質が宿る」としています。
様式と聞くと”面倒くさい”とか”窮屈”とか”古臭い”というようなイメージや印象を持たれる方が多いのではないかと思います。
たしかに様式を決まりとか縛りという風にとらえた場合にはその様になると思います。
しかし視点を少し変えて、その様式が定められた理由は何故だろう。。。という風に考えてみると、違う側面が見えてくるようになってきます。
すなわち「なぜ」の部分が、その様式に宿っている本質なのです。
貴方はなぜ「挨拶」をしていますか
例えば、朝に知っている人に出会ったら「おはようございます」と挨拶をします。これも言うなれば1つの様式(儀礼)だという事が出来るでしょう。
朝に出会っているんだから「おはよう」に決まっていますよね。「おやすみなさい」ではありません。
だったらそんな決まりきったお互いに分かっているような事をいちいち言わなくても良いんじゃない。。。という考え方も出てくるかもしれませんよね。
そこでこれを「なぜ朝に知り合いに出会ったらおはようと挨拶をするのだろう」という様に考えてみましょう。
この行動の意味、すなわち「なぜ」が分からなかったとしても、”おはようと挨拶をした場合”と”しなかった場合”を比較してみると、何となくこの「なぜ」の部分を感じることが出来ます。
「おはよう」と挨拶した場合としなかった場合を検証してみる
おはようと挨拶した場合にどのような事が起こるか
自分の心のスイッチを入れる。
お互いの友好関係の確認になる。
自分が笑顔になる。
相手が笑顔になる。
気持ちが上向きになる。
挨拶をきっかけにして会話が生まれる。
挨拶をすることによって生まれるリスクはゼロ。
おはようと挨拶しなかった場合にどのような事が起こるか
自分の心のスイッチに結びつかない。
お互いの友好関係の確認が出来ない。
自分が笑顔になる必要がない。
相手が笑顔になるキッカケがない。
気持ちが変わらない。
挨拶から会話に進むことがない。
挨拶をしない事によって、「挨拶しないやつ」とか「陰気な人」とかマイナスなイメージを持たれる可能性が高いのでリスクがかなり高い。
これらの事から分かるのは、自分から相手に「挨拶」という様式を用いて歩み寄ることによって、相手の心を開いてその後の関わりをスムーズにするという効果があるという事です。
「なぜ」を考えると物事の本質が見えてくる
挨拶の「挨」という文字は、相手の心を開くという意味があり、挨拶の「拶」 の文字には、相手の心に近づくという意味があり、すなわち 挨拶とは、自分の心を 開くことで相手の心を開かせ、相手の心に近づいていく能動的な行動と言うことが出来ます。
つまり「おはようございます」という様式には、自ら行動を起こすことによって人に良い影響を与えるので大切にしたほうが良いですよという本質が含まれているという風に考えることが出来るのです。
様式を単なる決まりと捉えるのではなく「なぜその様式があるのか」という事について考える思考が出来る様になれば、いけばなをより深く理解する事が出来る様になりますし、日常の中でも大いに役立てていただく事が出来るようになりますので、今年の夏季セミナーでは、いけばなを通じてこの様なことを学んでいただこうと思っています。
お越しになられる皆さん、どうぞお楽しみになさってくださいね。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。