あまりにも世の中の変化が大きすぎて、これまでに得た経験が役に立たない時代になってきたなぁって思います

こんばんは。内藤正風です。

今日は暑かったですねー。
これまで草の始末は、運動代わりだと思って行なっていた草刈りですが、今年は草刈りではなく除草剤の散布に切り替えて行ってみています。
だって真夏の草刈りの暑さはハンパないですから。。。

除草剤の散布だと作業の時間はかなり短くて済みますが、それでも今日は暑かったですよー。
これだけ暑いと除草剤を撒き終わった後に「あーー、ここでビール飲めたら天国なんだろうなーー」って思ったのですが、まだお仕事テンコ盛りだったのでグッと我慢して今に至っています。

年齢を重ねているから偉いんじゃない

昨日、本部いけばな教室で生徒さんと話をしている中で、「年齢を重ねているからって偉そうにしている場合じゃないよなぁ」って思う事があったので今日はその事についてブログに書きたいと思います。
ちなみに言っておきますが、誰かが偉そうにしていたっていう話ではないので誤解の無いように(笑)

5年前に今の発展を予測できていましたか

いま世の中はどんどん移り変わっています。それは環境や価値観や思考まで、もう何から何までが凄いスピードで変化していっています。
例えばスマホの普及。話をしていたり本を読んでいて知らないことが出てきたら即その場で調べる事が出来るようになりました。知らないところに行っていても美味しい食べ物のお店を検索していくようになりました。道を知らなくてもスマホが有れば世界中どこに居ても道案内してもらう事が出来ます。
AIの進歩で、碁の世界最強の棋士を破るまでに進歩しましたし、自動車の自動運転も実用化直前になってきています。

これ5年前にこんな風になるって予測できました?10年前にはそんな事全く思っていなかったですよね。

いけばなを取り巻く環境やお稽古に来られる方の価値観も、同じように大きく変化しています

これ”いけばな”でも同じです。
30~40年前まで世の中にあった、いけばなは嫁入り前の花嫁修業と言う考え方や、いけばなは女性のものと言う考え方は今は皆無です。今いけばなをお稽古されている方は、いけばなを学ぶ事を通じて自己啓発であったり仕事や家庭生活の役に立てたいと思って教室にお越しになられています。

そうなんです。時代によって環境や求められている物や考え方がどんどん移り変わっていっています。

過去の成功体験は参考にならない

って事は、過去の成功事例や体験なんて、マルッきりとは言わないですがほとんど役に立たなくなってしまっているのです。
昔、お弟子さんが100人お稽古に来られていた。とか、昔はみんなお免状を取得されていて結婚するまでに師範に大半の方がなられていた。とか、いくら言っても今の参考事例にはならないんです。
そしてこのころと一列に並べて比較すること自体が無意味な事だとも思います。だって世の価値観や求められている事など全然違う環境になっているのですから。

昔の様に、猫も杓子も女性だからという理由でいけばなをお稽古するという価値観は無いのですから、今の時代お弟子さんが100人も150人もワラワラと押し寄せてくるということはまずありません。
嫁入り道具の1つと言う価値観が無いのですから結婚前にいけばなをお稽古される方もほぼないです。
言葉は悪いですが、昔はお弟子さんの結婚式に度々出かけていましたが、今はお弟子さんのお見舞いやお葬式に度々出かける環境なんです。

老いも若きも、明日は未経験の新しい日

そう思うと、私はいけばなを50年やっているとか、私はこれまでに100人のお弟子さんを育ててきたとか、そう言う実績や経験って何の参考事例にもならなくなっちゃっているんだなぁって思います。
言うなれば、年がいっているから偉くて若いから未熟とか、そう言うこと自体がひっくり返っちゃったんじゃないかと思うのです。

新しい時代は、老いも若きもみんな初体験なのです。もしかしたら若い人の方が思考に柔軟性があるので、時代になじみやすいと言えるのではないかと思います。
明日と言う日は、みんな初めて迎えるのです。
言うなれば老いも若きもみんな1年生なのです。
いつまでも新人の気持ちで、常に前向きに進んで行かなければいけないよな~って、私自身の自戒にしなければと思う機会になりました。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。