そもそも「人間は他人の話は聞いていない」。けれどそれには理由があるのです。

こんばんは。
いけばなの光風流家元 ハスキーーー内藤です。

声は毎日少しずつ良くなっていて、今日はだいぶん出るようになってきました。
けど、続けて大きな声でしゃべっていると段々でなくなってくるので、出来るだけ大きな声でしゃべり続けないようにはしているのですが、やっぱりしゃべっちゃいます。
ってか、大きな声でしゃべっている自覚がないのが一番の元凶なんでしょうね(笑)(笑)

今日も教室で色んなお話をしましたが、そんな中のひとつに、「人間は他人の話は聞いていない」って話がありました。

人間は他人の話は聞いていない

わたしたちお花を指導させて頂く者が、自分に自信を無くすというかガックリ来る時のひとつに、生徒さんがお稽古の内容について覚えていて下さらなかった時が有ります。

お稽古や講習会や研究会と言う限られた時間の中で、一生懸命お話させて頂いたり実技を指導させて頂いた内容について、日頃のその生徒さんが書かれていたりお話されている内容が、まるっきり違うことを言われていたり書かれていた時には結構ショックが大きいです。

だって日頃から、どうすれば今日のポイントを生徒さんの記憶に残す事が出来るだろうか、どうすれば簡単に知識や技術を身につけていただく事が出来るだろうかと、あらゆる手立てを講じて教室や講習会を一生懸命行っておられる先生だからこそ、ショックなのは当然ですよねー。

けど私は最近、そういう場合にもショックを受けないようになってきました。
ツラの皮が厚くなったんではないですよーー(笑)。
もちろんどうでもよくなったのではなく、生徒さんの立場で考える事をするようになって、色んな事が見えるようになってきるとともに、原因が感じられるようになってきたからです。

覚えて頂けない原因 その1 思い込み

人間には思い込みというものが有ります。
思い込みを超えるほどの新しい情報と言うのは、なかなか現れるものではありません。
特に年配の人ほどこの思い込みが強かったりします。
なので、思い込みを超えるようなビックリするほど刺激のある内容でなければ、その生徒さんの頭の中では、思い込みの方が優先しちゃうのです。

覚えて頂けない原因 その2 聞いて頂けていない

人の集中力は20分が限界だという説が有ります。
なかには15分や10分と言われる学者さんもおられると聞きます。
って事は、1時間お話させて頂いても、そのうちの大半は聞いて頂けていない、あるいは、聞いていても頭に残っていないって事になるのです。

覚えて頂けない原因 その3 興味がない

人は興味がある事はスポンジが水を吸うように吸収しますが、興味がない事は目の前で繰り広げられていてもシャットダウンしてしまいます。
いけばなが好きでお越しになられていても、その時の課題が自分にとって必要性のないものであったり、苦手な分野や材料が入っていたりすると興味が半減しちゃいます。

覚えて頂けない原因 その4 教室の環境が良くない

例えば、真夏の暑い日にクーラーが無い部屋で居ないといけなくなったらどうでしょうか。真冬の寒い日に暖房の無い部屋でお花を生けないといけなくなったらどうでしょうか。
隣に座っている人の香水の匂いがきつすぎるときに授業に集中できるでしょうか。
人って教室の環境によって、かなりパフォーマンスが左右されてしまうのです。

覚えて頂けない原因 その5 学ぼうとする意欲が無い

熱っぽくてそこに居るだけで精一杯なときや、食事をする時間が無くてお腹が空いていて集中できない、そんな時に意欲ってわかないですよね。

生徒さんにしっかりと学んで頂くためには、指導する先生が一生懸命にしたから成果が出ると言うわけではないのです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。