いけばなで学ぶのは技術だけではない | 良い先生が良い弟子を育てる理由

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

昨日は私どもがいる地域では、結構な雨が降りました。車で帰宅しているときには雨は止んでしばらく経っていたのですが、あまりの湿度の高さでフロントガラスの外側が曇って、雨も降っていないのに曇りを取るためにワイパーを間欠で動かしながら走らないといけないくらいでした。
こういう事って、トンネルに入ってなる事はたまにありますが、普通に走っていてこんな事になるだなんて貴重な経験をしました。

先生の意識がお弟子さんにも自然に伝わってゆきます

私は「良い先生には良いお弟子さんが育つ」と思っています。ちなみに日本には ”「鳶」が「鷹」を生む” ということわざもありますが、まずそんな事はほとんどありません。
その逆はありますけどね。素晴らしい先生なのに何であんなお弟子さんが。。。残念。。。。。ってパターンです。(笑)

いけばなのお稽古は、お花を生ける知識や技術を学ぶものだと思われがちですが、実はそうではありません。では何を学んで頂いているのかというと、お花を生ける事を通じて、人としての有り様を学んでいるのです。
と言っても、あまりにも漠然とし過ぎているので一例を挙げますと、「
先生がいけばなに取り組まれている姿勢を間近に見ながら学んでいる」という事を挙げることが出来ます。

いけばなが大切にしているのは、上手に生ける事ではありません

たとえば一番わかりやすいのは、いけばな展の時の手直しです。
いけばな展の時に、毎朝の手直しを大切にされている先生のお弟子さんは、おのずと手直しを大切にされる様になられます。
しかし逆に、手直しをあまり重要に思われていない先生のお弟子さんは、手直しにお越しにすらならない方もおられたりもします。
この作品の手直しというのは、実はその方のお花に対して取り組まれている姿勢がものすごく分かりやすく形になって見えるモノです。すなわちお花の上手下手以前の問題という事です。

作品を作り上げたご本人が、お花をの命のある存在として捉えているか否か。そして、自分の作品を作り上げるにあたって真剣に向き合い練習を積み重ね、心を込めて作品を作り、自分の子供といえるほどの情熱を注ぎこんでいるかどうかという事です。
どんなに知識や技術が上手であっても、お花と向き合う姿勢や取り組む姿がその大元として大切なのです。

お花と向き合う姿勢がしっかりとしていれば、そのお弟子さんは良い成長をされるのは間違いありません。しかし反対に、お花と向き合う姿勢がチャランポランになっていると、いけばなが一番大切にしている本質を学ばずに済んでしまうという事なのです。
そしてこのお花と向き合う姿勢をお弟子さんに伝えているのは、先生の「生きざま」そのものなのです。

いけばなの技術や知識だけではなく、人間的魅力に溢れた人になって欲しい

いけばなのお稽古や作品作りをしていると、自分の思い通りの材料に出会う事なんてほとんどありません。しかしその花材を用いて調和を見い出し1つの作品としてゆく作業がいけばななのです。
そういう思い通りにならない経験をするからこそ、相手を思いやる気持ちにつながったり、そして自己が成長するからこそゆとりが生まれ相手を許すことが出来るようになったりするのだと思います。

人間は未熟で弱い生き物です。だからこそ助けてくださる方や励ましてくださる方、色んな事を教えてくださる方の力を借りて前に進んで行く事が出来るのです。
そういう経験を自分がしているからこそ、人にやさしくすることが出来るのでしょうし、その思考や行動が良い仲間や友達に結びつき、豊かな人生になってゆくのだと思います。

光風流でお稽古をされている皆様には、友達や仲間のために、まず自分から動き行動を起こせる人でいて欲しいです。人のために陰になってサポートできる人になって欲しいです。

「いけばな」と聞くと、技術や知識ばかりに目がゆきがちです。
しかし本当に大切なのは、相手に対する敬意や、いけばなを通じて友達や仲間のために行動を起こせる人になる事や、人間的魅力に溢れた人になることだと私は思っています。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。