数をこなさないから閃きやアイデアが浮かばないのであり、それは自分自身の未熟さが故なのです

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

先週末に光風流の役員の先生と話をしている中で、「アイデアが浮かばない人はなぜそうなるのか」という話題があったのですが、今日はそんなことについてブログを書きたいと思います。

アイデアは天から降ってくるものではない

アイデアっていうと、よく耳にする言葉があります。それは、「〇〇さんはいつも素敵なアイデアの作品を作られている」とか「私は神様がおりてこない」みたいな、アイデアは才能であったり下さりものみたいな言葉です。
私はこれって大きな間違いだと思っています。だってアイデアは誰かがくれるものでも、どこかから勝手に湧いてくるようなものではなく、自分自身が生み出すものだからです。

アイデアに似た言葉で「閃く」という言葉がありますが、閃きはその人が自分の中にあるものを土台にして生み出すものにほかなりません。なので、何もないところから「有(ゆう)」は生み出せないのです。

毎日食事を作られている人は、毎食ごとにアイデアが生まれ閃いておられます

毎日食事を作られている方は、外食でもしない限り、1日3食、1年365日、食事を作られています。そんな方って毎食ごとに閃かれていると思うのです。冷蔵庫を開けて「あっ、この食材があるから、○○を作ろう」って。そしてこのお料理って、レシピとか何かを見ながら作られている場合もありますが、ほとんどの場合「創作」なさっていますよね。昨日の料理に使ったナスの残りがあるからみそ汁についでに入れておこうとかって。

これ誰かが教えてくれたのではないですし、神様が下さったアイデアでもないですよね。自分で閃いているのです。
そしてこの閃きは、お料理作りを数えることが出来ないほど行い経験が豊かな方ほど、閃き創作し、それなりのお料理を生み出されていますよね。

つまり、閃きやアイデアというようなものは、「無」から「有」が生まれるのではなく、その人の中にある「知識」や「経験」や「知恵」を土台にしてしか生まれないという事がお分かりいただけるかと思います。

あなたは年間何回、いけばな展のような発表の機会がありますか

さて、ここで質問です。あなたは1年間に何回くらい、どこかで”いけばなの作品”を発表する機会がありますか?

年1回と答えられた方、お料理を年に1回しかしない方が、冷蔵庫の材料を見て色々な創作料理を作れるでしょうか。多分、何かのレシピを見ながら作ることはできても、自分なりのお料理を作れるほどの「知識」や「経験」や「知恵」を蓄えることはできていないですよね。
つまりいけばな作品を生み出すための、閃きやアイデアもこれと同じ状態にあるという事なのです。

いけばな展、いけばな奉仕、会社の玄関花、個人のお家の冠婚葬祭、いけばな作品を発表する機会は身の周りに沢山あります。しかしそういう機会を避けていたのでは、いつまで経っても自分の閃きやアイデアの源泉となる「知識」や「経験」や「知恵」を身に付けることはできないし、したがって閃きやアイデアを生み出すことができる様にはならないという事です。
つまり、あなたを育てるのも育てないのも、あなた自身だという事に他ならないという事です。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。